L.バーンスタイン 「ウェスト・サイド・ストーリー」よりシンフォニック・ダンス

指揮カール・デイヴィス
演奏ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
録音不明(おそらく1980年代以降)
カップリングL.バーンスタイン 「キャンディード」序曲 他
発売Regis(Centurion)
CD番号RRC-1042


このCDを聴いた感想です。


 4人目の「デイヴィス」の登場です。
 なぜか世の中にデイヴィスという名字の指揮者は多く、コリン、アンドルー、デニス・ラッセルに引き続いて4人目です。おそらく親戚でも何でもないのにこんなにいる名字は他には無いのではないでしょうか。「C.デイヴィス」と略して書くと、コリンなんだかカールなんだか区別がつきませんし。
 ちなみに、このカール・デイヴィスという指揮者は、1936年ニューヨーク生まれで、1927年生まれのコリンと1944年生まれのアンドルー及びデニス・ラッセルのだいたい中間の世代にあたります。
 もともとは映画音楽で知られていて、ポピュラー系にも強く、ポール・マッカートニーと共作したこともあります。
 このウェスト・サイド・ストーリーは、ポピュラー的な要素も強いので、カール・デイヴィスにとっては、非常にお手の物だったではないでしょうか。
 ただ、今度はオーケストラの方がどうかという問題が出てきます。
 マンボやスイングといったいかにもアメリカンなノリを、イギリスのオーケストラであるロイヤル・フィルがどこまで演奏できるものなのか。
 で、実際どうかといいますと、心配するほどのことも無くちゃんと雰囲気が出ています。
 微妙なリズムの揺れもギクシャクしたりせず流れに乗っていて、ちょっと遅らせて黄昏たりや前に突っ込んで緊迫したりと自由自在です。
 こういうのはニューヨーク生まれのカール・デイヴィスが上手く引っ張っているのかもしれませんね。
 とはいえ、気になった点も無かったわけではありません。
 それは、カウベルなどの賑やかし系のパーカッションです。
 特にプロローグなどの派手な部分で、盛大に入ってしかもきちんとリズム通りなのは良いのですが、その叩き方が、どうも力任せで強弱のメリハリが今一つ無いような気がしました。
 較べる対象がバーンスタインの新旧の録音だったので、少々酷のような気もしましたが、その二つの演奏ともパーカッションがいくら騒がしくてリズムが強く感じられのに対して、カール・デイヴィスの方は、ちょっと単調に聞こえます。
 同じ騒がしい部分でも、後半の曲では割とリズムがしっかりと聞こえるので、もしかしたらまだ調子が出てなかったかもしれません。
 その一方で、素晴らしかったのがしっとりと落ち着いた部分の曲です。
 後半の「Cha-Cha」もかなり雰囲気が出ていたのですが、それを上回っていたのが2曲目の「Somewhere」です。
 メロディーが幅広く流れるように歌われ、しかもほのかに明るく、いかにも、静かだけど明かりがあちこちに残る「夜の都市」という感じがします。
 バーンスタインの演奏が、メロディーの所々を浮かび上がらせるような短く区切った歌い方で、夜の都市のそこかしこに残る灯を連想させるのに対して、カール・デイヴィスの方は、メロディーを長く歌わせて下に深く響かせる事で灯りと灯りの間の闇を連想させるという風に、方向性はかなり違いますが、同じくらい印象深い演奏でした。
 静かな落ち着いた曲に較べると、明るい曲やテンションの高い曲は相対的に印象が薄くなってしまいました。
 それでも、「スケルツォ」のように明るくても割と静かな曲や、「Coolフーガ」のようにテンションが高くても暗めの曲は、それぞれ雰囲気が出ていてなかなか良かったのですが、明るくて派手な曲は響きがどうも太く、もっと尖った音で、それこそ2、3本ブチ切れるぐらいの勢いでも良かったんじゃないかな、とも思いました。
 どうやらわたしにとっては、曲が明るくなるほど、テンションが高くなるほど印象が薄くなってしまったようです。
 もっとも、わたしの好みが派手な曲は思いっきりやって欲しいというものなので、バランスを崩してないこの演奏の評価としては、あまり適当でないかもしれません(汗)

 なお、録音年代が不明なのにおそらく80年代以降としたのは、CDのどこを見ても録音年月が書いてないのですが、デジタル録音とだけは書いてあったので、まあ80年代以降ではないかと推測したからです(2004/11/27)


サイトのTopへ戻る