J.ロドリーゴ アランフェス協奏曲

指揮アタウルフォ・アルヘンタ
独奏ギター:ナルシソ・イエペス
演奏スペイン国立管弦楽団
録音1958年頃
カップリングロドリーゴ ある貴紳のための幻想曲 他
発売キングレコード(SEVEN SEAS)
CD番号KICC 8218


このCDを聴いた感想です。


 わたしは普段ギターの曲を聴く方ではないのですが、このアランフェスと、同じロドリーゴの作曲した「ある貴紳のための幻想曲」は例外によく聴きます。
 アランフェスの南国系の明るいけどどことなく哀愁の漂う雰囲気が大好きです。
 このあたりはシャブリエの狂詩曲スペインとも共通していて、他のヨーロッパ系の音楽とは一線を画しています。

 アランフェス協奏曲というと何といっても第2楽章のイングリッシュ・ホルンが奏でるメロディが有名ですが、ご多分に漏れず、わたしもそのメロディだけ知っていて、それで全曲聞いてみようかと思ってCDを買ったのです。
 今でもこのメロディは、心に残るいいメロディだとは思うのですが、実を言いますと、今ではこの第2楽章より、第1楽章と第3楽章のほうが好きです。
 というのは、第2楽章は明け方や夕暮れのようなアンニュイな雰囲気ですが、その哀愁のほうが出すぎていて、もっと昼間のような明るい方を求めてしまうからです。
 その点、第1楽章や第3楽章は、南国の太陽を連想させるような、明るさに満ちています。
 しかも、決して暑すぎるようなことはなく、さわやかな明るさです。

 イエペスの演奏は、まだ10弦ではなく6弦だった頃の演奏だそうですが、はっきりいって比べる対象が無いのでなんともいえません。
 この辺は、イエペスの後年の録音や、他の人の演奏を聴いてみてから判断したいと思います。
 イエペスは昨年だか一昨年だかに亡くなりましたが、年齢は70そこそこなんですよね。
 わたしはなんとなくすごく年をとっていたようなイメージがあったのですが、若……くはないにしてもそんなに高齢じゃありませんね。わたしは何をいったい勘違いしていたのでしょう?

 一方、指揮のアルヘンタですが、この人こそ長生きとは言わないまでも、ある程度の年齢まで生きていてくれたらなぁ、と思う指揮者の一人です。
 残されたCDは多くはありませんが、ぜひ聴いてみたいと思っています。(2000/5/5)


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