※このSSは「シスタープリンセス」のパロディーです。「電撃G'sマガジン」か、「シスタープリンセス」のゲームをプレイされていないと意味不明だと思います。
俺は四葉から借りた本を返しに、四葉の部屋へ行った。
トントン
「おーい、四葉入るぞー」
ガチャ
俺は返事を待たずに四葉の部屋に入った。
……いない
「どこに行ったのかな…………おや? これは…」
机の上の一冊の本に目が止まった。
その表紙には赤い文字ででっかく
秘
と丸の中に書いてある。
さらによく見ると、その下には
「四葉のチェキほーこくしょ」
と書いてある。
「な、なにを考えてるんだ四葉は…」
思わず頭を抱えてうずくまる。
でも、ちょっぴり興味あるな……
「…四葉ー、いないよなー」
周りを見回すが人影は……無い。
うんうん。
それじゃ、四葉には悪いけどちょーっと見させてもらおうかな。
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○月×日
『今日も、兄チャマをチェキーーッ!
というわけで、今日は大学までやってきましたデス。
えーと、兄チャマどこかなー……あっ、見〜つけた!
中庭でご本を読んでる!
とりあえず、茂みの中からチェキしよーっと。
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あぶないっ! 後ろからボールがっっ!!
そうだ、この下にぐーぜん落ちてた硬球をあのボールに当てて方向をそらせればOKね!
えいっ!!
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ゴキッ!!!
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あ、あはははは……四葉の投げた方が直接あたっちゃた……
で、でも後ろから飛んできたボールはあたらなかったから、四葉はやっぱりいいことをしたんデス!』
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あ、あれは四葉のしわざかぁぁぁーーー!!
俺はまた脳が割れたかと思ったぞ。
まったく…
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とりあえず続きを読むか……
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△月☆日
『今日は、研究室でチェキーーーッ!
というわけで、今日は教卓の中からのぞいて見てます。
なんだか、難しそうな授業デス……
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うーん、せっかくだから兄チャマが活躍するところ見てみたいなー……そうだっ!
センセイに当ててもらっちゃおう!
センセイに、「兄チャマになにかきいて!」っていう紙を見せて……っと。
えっ!? 先生にバレて平気なのかって?
だいじょーぶデス。
四葉とセンセイはもうお友達だも〜ん!
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あっ!
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センセイが兄チャマを当てたみたいデス。
ガタッ
兄チャマは立ち上がったけど黙ってる………
そっかー! これは沈黙が答えなんデスねっっ!!
さすが、大学の授業、奥が深いデス…
でも、ちょっとうつむきかげんの兄チャマの姿ってステキ(ハート)』
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これも、四葉のしわざかぁぁぁーーーーー!!
俺は、寝てるところを当てられたんで、全然答えられなくて下向いてるしかなかったんだぞっっ!!
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……しかし、四葉は先生といつのまに知り合いになったんだ……
うう、想像するとどんどん怖くなってしまう…
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続きを読むのが怖くなったけど、もう少し…
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□月○日
『今日はデパートでチェキーーーー!!
えーと、兄チャマは………
あーーーーっっ!!
白雪といっしょに買い物してるーーー!
うーーん、なんとかしないと…………そうだ!
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「ピンポンパンポーン、ただいまより地下一階でしめ鯖フェアを開催いたします…」
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と、店内放送を流しておいて……
エヘヘ、白雪が慌ててやってきたわねっ!
そーっと、後ろから近づいて、右手のルーペで………エイッ!
キュウ!
ふー… 白雪はとりあえずしばってどこかに隠しておいて…
さあ兄チャマのもとへーーっ!!
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……えーと、兄チャマどこいっちゃたかな……
あーーーーーっっ!!
今度は咲耶姉チャマとお洋服を見てるーーーーーっ!
んーと、んーと、咲耶姉チャマは大きいからルーペでエイッ!ってわけにはいかないし…
そうだっ!
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……そーっと、ぶら下がってる服の陰から近づいて……クロロホルムッ!!
フニャフニャフニャ〜
んしょ、んしょ、やっぱり咲耶姉チャマは体が大きいだけあって、運ぶのがたいへんデス…
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さて、兄チャマはっと………
あーーーーーっっ!!
いつのまにか衛といっしょにスケボーを見てるーーーっっ!
で、でも、だいじょーぶ。
こんなこともあろうかと思って用意したこのスケボーを…
よいしょ。
こうやって、衛の見えるところに置いておくと…
バタバタバター
この模様を見れば、催眠効果で眠っちゃうのデス
……あれ!? 他にもいっぱい人が倒れているようだけど、まあ、気にしないでおきまショウ。
とりあえず、衛をかかえて逃〜げよっ!』
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みんな次々と消えて行くから帰ったのかと思っていたが……
これも、四葉のしわざかいっっっ!!!
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スポーツ用品売り場で人がいっぱい倒れていたのは………記憶から消去しよう。
俺は何も見てない聞いてない…
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ううっ、ページをめくるのが怖い…
これで最後にしよう…
えーと今日か…
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×月△日 『今日も兄チャマをチェキーーーーッッ!!
場所は………四葉の部屋のクローゼット!!!』
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えっ!?
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俺が慌てて部屋の中を見回すと、壁に造り付けのクローゼットが目に入る…
まさか……まさか……
バタッ!!!
「兄チャマのハートに、チェキチェキ、チェキよっ!」
クローゼットから飛び出した笑顔いっぱいの四葉が俺に抱きついてきた。
〜 完 〜
- あとがき
- この話は、四葉のBD記念ということで、SPSSさんに投稿した話です。
この四葉はストーカーというか……たんなるアブナイやつになってしまいました。
本当はもうちょっとマトモ……だといいんですが(笑)
2000年6月21日発表
2001年7月17日改訂