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下級生

メーカージャンル発売時期対象年齢
エルフ
恋愛ゲーム
1998年6月(Win版)
18歳以上

 すみません。いきなり古いソフトです。
 ただでさえ、発売が1998年と3年も前なのですが、この1998年というのはリニューアル版の発売された年なので、オリジナルはさらに昔に遡ります。
 まあ、元が98(Windows98に非ず)で発売されたぐらいですから、推して知るべしというところです(笑)
 実際、わたしがプレイしたのは、リニューアルされた方のWindows版でしたが、新たに声が入ったぐらいでそれほど大きな差は無いと思います。
 おそらく、BGMは98時代から変わっていないのでしょう。

 しかし、ソフトが古いだけあって、現在のソフトの豪華なBGMと比べると、音色は少ないわ一曲あたりの時間は短いわで、かなり見劣りするのはしょうがないところでしょう。
 しかし、意外なことに、曲自体は音色の少なさや曲の短さをものともせず、結構良い曲が揃っています。
 さらに、逆に一曲当たりにかかるデータ量が少ない事もあって、曲数は全部で48曲と無闇と多くあります。
 最近良く見かけるCD−DAの方式(音楽CDのようにBGMがCDの中にトラックで区切られて収録されている)では、多くても25曲ぐらいですから、破格の多さです。
 このゲームは、そんな曲数の多さを生かして、ただでさえヒロインの数が13人と多いのに、ヒロイン毎にテーマ曲があるだけでなく、男連中にもそれぞれ独自のテーマ曲がちゃんと用意してあります。
 一つのゲームでキャラクターのテーマ曲だけで18曲も入っているソフトは今時珍しいのではないでしょうか。

 まずはキャラクター毎のテーマ曲ですが、これがなかなかキャラクターの性格に合った曲です。
 基本的に、曲のタイトルはそれぞれのキャラクター名がそのままタイトルになっています。

 結城瑞穂は、容姿端麗・頭脳明晰・スポーツ万能・学園のアイドル……うーん、どっかで聞いたようなフレーズですね。まあ赤い髪のロングへアいい、ヘアバンドorカチューシャをしているところいい、早い話が、某ときメモの藤崎詩織とそっくりです。ただ、詩織と大きく異なる点は、瑞穂の方は性格も良いこと……と書くと詩織ファンに怒られそうなので、あえて言わないでおきましょう(笑)
 テーマ曲の「瑞穂」も、正統的ヒロインに相応しい折り目正しい雰囲気と、親しみやすい雰囲気とが上手くマッチした優しい曲です。

 いつもマイペースで、「そこのお嬢さん。いくらなんでも人を信じすぎ」と言いたくなるくらい素直な神山みこですが、テーマ曲である「みこ」も、本人の性格を表すかのようにゆったりとしています。しかも、ただのんびりしているだけではなく、海のように包容力が感じられる点もポイントが高いところです。

 逆にどうしても素直になれずに、主人公に憎まれ口ばっかり叩いてしまう新藤麗子。シリアスなキャラクターと思いきや、実はプライドが高い故にかえってギャグキャラだったりするのですが、そんな新藤麗子のテーマ曲である「麗子」は、金持ちらしく高圧的な雰囲気があります。
 でも、ギャグキャラ(笑) テンポとかで結構コミカルな感じになっています。

 橘真由美には『コギャル』という言葉がそのまま当てはまります。
 ……といっても、あくまでも『当時の』という枕詞がつきますが(笑)
 橘真由美のテーマ曲である「真由美」も、リズムが強調されたノリのいい曲ですが、曲全体に不安感が貫かれているのがポイントです。真由美の、自由気ままに遊んでいるように見えて、実は足が地につかない頼りなさが表れています。

 完全芸術家肌の加納涼子。この人は、神山みことはまた異なる方向でのマイペースです。
 いや、マイペースというより価値基準が全く違うというべきでしょうか。とにかく最初の状態ではとてもクールで色恋沙汰に一番興味が無さそうに見えます。
 テーマ曲である「涼子」も、本人の大人びてクールな様子を表すように随分落ち着いた曲です。
 しかもおもしろいことに、14曲もあるキャラクターのテーマ曲の中で、この曲だけが唯一3拍子の曲です。
 やはり、芸術家は他の人とは求めるところが少し違うという事でしょうか? 孤高の人ですし。
 でも、初めはそういう風にクールでも、恋人状態になると、急に大変わりするんですよね〜 この人(笑)

 皆川奈々は、『夢見がちな女の子』といった感じですか。一番子供っぽいです。まあ、一人だけ一年生というのもありますが。
 子供っぽいだけあって、結構ワガママですし、言いたい事はすぐに口に出してしまうほうです。
 だけど、年下の設定によくあるのですが、実は夢見がちな割に、変な所で現実的でちゃっかりしている面もあります。
 テーマ曲である「奈々」も、当然、この下級生のBGMの中で、最も子供っぽさ全開の曲です。でも、このゲームの曲は全体的に落ち着いているので、この曲も、実はそれほど子供っぽいというわけではありません。

 愛とセットの飯島美雪ですが、これがまた典型的なスポーツ少女です。
 普段は主人公と口喧嘩ばっかりしているけど、実は恋愛に対しては不器用という、スポーツ系の王道を突っ走っています。
 この愛とのコンビは、非常に上手く描かれています。美雪が親友と恋人の間で板挟みになり、精神的にどんどん追い詰められていく様子は、普段の様子では強そうに見える美雪の心の弱さを浮き彫りにしています。
 そして、悩みに悩んだ末に自分の心に正直なって行くところは、初めから自分の心に正直な愛と良い対照になっていて、最近のシナリオ重視のゲームでもなかなかお目にかかれないような秀逸なシナリオです。
 ちなみに、わたしはこのゲームの中で、美雪が一番好きです。
 美雪が、スポーツ少女で主人公にすぐ突っかかってくる性格を表して、テーマ曲である「美雪」も、男の子っぽい元気の良い曲です。
 ついでに、余談ですが、わたしはこの曲の最後がどうしても『ほの○のレイ○〜』と聞こえてしまうんですが、これってわたしだけでしょうかね?(笑)

 今度は、コンビのもう片方の南里愛ですが、『恥かしがり屋でドジッ娘』という、守ってやりたい本能を思いっきり刺激するようなタイプなのですが………女って怖いですね☆(笑)
 親友と恋人との板挟みという、美雪と全く同じ立場の筈なのに、ぜ〜んぜん悩んでいません。恋人と親友のどっちをとるかなんて、考えるまでも無く決まっているようです。
「男の前では女の友情なんて儚いものね」と言った人の気持ちが良くわかります。本当に強い!強すぎる! 女の強さがフルに出ています。
 その愛のテーマ曲である「愛」は、冒頭がインパクトありました。冒頭の音が一番高くて、だんだん下がっていくという展開はなかなか新鮮に聞こえます。
 冒頭がこういう風にハイテンションなのは、やっぱり愛ちゃんがいきなりゲームの頭から主人公に熱を上げているからなんでしょうかね?

 魚屋のねーちゃんである緑谷麻紀は、このゲームのヒロインの中で、一番ボーイッシュです。いや、漢(おとこ)らしいと言うべきですか(笑)
 威勢はいいわ、すぐ手が出るわで、完璧姉御肌です。
 でも、実はヒロインの中で一番焼きもち焼きなのも麻紀なんです。
 そこが可愛いとも言えるのですが、麻紀自身の腕力が強いだけに、ちょっとでも浮気しようものなら、文字通り『痛い目』にあわされます。
 当然テーマ音楽である「麻紀」も、そんな性格を反映して、ちょっと強面な曲です。
 迂闊に近づいていくとポカリと叩かれそうな雰囲気があります。

 花屋の看板娘である持田真歩子は、大人しくて、いろいろ悩んだりしますが、これと決めたら一途につくすタイプです。
 それだけだったら、いかにもありがちなキャラクターにすぎないのですが、実はスポーツ好きという面白い属性があります。
 しかも、自分で身体を動かす方ではなく観戦する方で、プロ野球の応援なんかを好みます。この応援のイベントの時の「がんばれシャイアンズです〜」というセリフは、なぜか耳について離れません。
 しかし、応援しているシャイアンズは、恐らく○ャイアン○のもじりだと思うのですが、真歩子に無理矢理一緒に応援させられるところといい、どっちかというと阪○ファンの間違いじゃないかと思ってしまいます(笑)
 そんな真歩子のテーマ曲である「真歩子」は、最初は妙に後ろ向きな雰囲気です。それが、途中から前向きの雰囲気に変わります。
 この変わり方も、楽譜上はある一点で転調していると思うのですが、聴いていると唐突という感じは受けないで、スッと流れるように変わって行きます。
 この後ろ向きから前向きへの変わり方を聴くと、真歩子の迷いを捨てて一途になった様子がありありと目に浮かんでくるようです。
 この曲は、下級生のBGMの中で、わたしが最も好きな曲です。

 香歩ちゃん……もとい、山下美夏は、明るいお姉さんタイプです。いつも笑ってて楽しそうにしているような雰囲気があります………喫茶店でバイトをしている所だけを見る限りでは(笑)
 ホントは、心のうちにかなりドロドロしたものがあったりもするのですが、テーマ曲の「美夏」は、明るいお姉さんの方のイメージです。
 この曲からはとても香歩のイメージは浮かんできません。

 三月静香先生は、おそらくヒロインの中で一番年上ということもあり、包容力のある大人の女性という雰囲気に溢れています。
 テーマ曲である「静香」も、いかにも優しいお姉さんといった感じで、いつも優しく微笑んでいるような雰囲気があります。
 ……でも、先生だけあって、実は結構厳しかったりもしますが(笑)

 いろんな意味で浮いているティナですが、テーマ曲の「ティナ」は、ごく普通の明るい曲です。
 唯一、曲の頭でウネウネやっている音の動きに、ティナらしさ表れていて、浮かんでいるイメージによく合っています。

 金持ちで嫌味な晴彦ですが、テーマ曲の「晴彦」は、たしかに嫌味な雰囲気はあるものの、どっちかというと元気がいい曲です。意外と爽やかだったりします。

 悪友の稔のテーマ曲である「稔」は、ちょっとテンポが遅いところが、今一つスマートではない稔をよく表しています。
 上手くやっているように見えて、実は陰でズッコケている稔の姿が想像できるようです。

 ひ弱なイメージがある慎二ですが、テーマ曲の「慎二」は、どっちかというと健康そうな雰囲気のする曲です。
 メロディーがちょっと硬いところが、気の弱さをあらわしています。

 奈々ファンからは目の敵にされていそうな気がするティムですが、テーマ曲の「ティム」は、男連中のテーマ曲の中では一番テンポが速く、クールな雰囲気がよく表れています。

 さて、実はマスターにもテーマ曲があります。その名も「マスター」!……当然の如くそのまんまなのですが、マスターというより、どっちかというと『土下座』のイメージが強い曲です。マスターの性格を反映してか、とにかく急かすような曲で、主人公が来る日も来る日もこき使われている様子が目に浮かぶようです。


 キャラクターのテーマ曲以外も、細かく書いていくとキリがありませんので(何しろ48曲です!)、何曲かピックアップして感想を書きます。

 まず印象に残ったのは、「キャバクラ」です。お金が湯水の如く消えて行くけど美夏攻略には欠かせないキャバクラですが、この音楽は異常にノリが良い曲です。おそらくこのゲームの中で一番ノリノリの曲ではないでしょうか。
 やはり香歩ちゃんには、こっちの方が似合っています。いかにも『戦闘態勢!』(笑)という雰囲気が良く出ています。

 お次は、「Sweet」です。この曲は、おそらくゲームセンターのスロットでゲットしたポスターを見る時だけに流れるBGMだと思うのですが、この曲、実は「同級生2」の曲です。
 といいつつ、わたしは「同級生2」をやっていないので、「Elfオールスター麻雀」をプレイして、初めてこの曲が「同級生2」の曲だという事を知ったぐらいですが(汗)
 ゆったりとして幸せな雰囲気を感じる曲で、ゆっくりと上に上がっていくような高揚感があります。
 勝手な推測ですが、「同級生2」では、おそらくアノ時に使われていた曲ではないかと思います。

 さらに、中盤からエンディングにかけてのイベントで使われている曲は、良い曲が目白押しです。

 最初は悲しい状況のときに使われる「Regret」。この曲は、もちろん悲しい雰囲気なのですが、それよりも行き詰まり絶望した状況というイメージの方が強く感じられます。この段階ではまだ救いがありません。

 「Sensual」は、そんな絶望の中で、たった一つだけ見つけた小さな幸せという感じがします。
 周りは真っ暗の中で、ほんの僅かに点った灯りという雰囲気で、とてもささやかな希望です。
 ただし、その小さな希望ばかり見て、周りには目をつぶっている、そんな後ろ向きなイメージがあります。

 「My dear…」は、そういう状況から、一歩前に踏み出したよう状況です。
 周りの状況は、まだまだ良くなったとはいえないけれども、前に向かって進もうというより前向きな意志が感じられます。

 「Lonesome Season」は、周りの状況が好転してきて、やっと本当の幸せを手に入れたという雰囲気です。
 ようやく辿り着いたことの達成感と悩みが解消された安心感が感じられます。

 「Reunion」は、高まった感情も平静に戻って来て、苦しみや嬉しさは過去のものとなり、落ち着くべきところに全てが落ち着いたリラックスした気持ちがあります。

 「Stay with me」は、後日談といった感じですか。実際、ゲーム中でもアフターストーリー(…と言っていいのかな?)の場面に使われています。
 苦しかった時期は遠くなり、いまや幸せなのが日常という雰囲気があります。

 もう一つのアフターストーリー用の曲の「Come True」も、同じく後日談という雰囲気の曲なのですが、「Stay with me」が、落ち着いた感じなのに比べて、こっちの曲はより活動的な雰囲気のする曲です。

 このゲームの音楽は、CD−DAでないため、曲を聴くためにはゲームを起動させて音楽鑑賞のコンテンツを開くしかありません。
 いちいちゲームを立ち上げるのは、面倒な事ですので、ぜひ音楽集を普通のCDで出して欲しかったものです。(もしかしたら本当は発売されていてわたしが知らないだけかもしれませんが)
 これで、音楽CDで出るようであれば、真っ先に飛び付くことでしょう(笑)(2001/11/30)

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