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※このSSは「シスタープリンセス」のパロディーです。「電撃G'sマガジン」か、「シスタープリンセス」のゲームをプレイされていないと意味不明だと思います。


雛子の誕生日



 8月15日(はれ)
 
 えっとね、ヒナの誕生日!
 
 今日は、おにいたまがプールにつれていってくれるんだぁ。
 うれしいな!
 しかも、誕生日プレゼントも用意してくれてるんだって!
 ヒナ、とーっても楽しみ!
 
 わ〜い、プールだ! プール!
「よーし! ボクはいっぱい泳ぐぞ!」
「今日は、結構日差しがきついので、わたくしはプールサイドで休んでますわ。兄上様」
 そう、今日は衛おねえたまと鞠絵おねえたまといっしょなの。
 後で、遊んでもらうんだぁ
 
 バシャ、バシャ、バシャ
「あははは、ヒナ、待て〜」
「おにいたま、こっちこっちー!」
 プールで追いかけっこって、おもしろいなぁ。
「おにいたま、そんなんじゃ、ヒナにおいつけないよー」
「よーし、本気を出しちゃうぞー……うわっ!」
 
 バシャーン
 
 えっ!?
 ヒナ、びっくりして後ろをふり返ったの。
 そしたら……
「ヒナ、楽しんでるかい!」
「あっ! 衛おねえたまぁ!」
 前のめりに水面に倒れてるおにいたまと、手を前にのばしたままでにっこり笑ってる衛おねえたまがいたの。
 ……おにいたま、だいじょうぶかなぁ
 
 ザパァ!
 
 あっ! でも、すぐおきあがったからだいじょうぶだよね。
「衛っ! いきなり後ろから突き飛ばすんじゃないっっ!!」
「えーっ! だって、あにぃったら、ボクらを置いて、ヒナとばっかり遊んでるんだもん!」
「あのなぁ、今日はヒナの誕生日なんだからヒナと一緒に遊んでたっていいじゃないか…」
「まあまあ、いっぱい人数がいる方が楽しいと思うよ! ねっ、ヒナ!」
「うんっ!」
 みんなでワイワイってするの楽しそう!
「まあ、ヒナがそう言うんなら……ったく、水を死ぬほど飲んだぞ」
 おにいたま、かわいそう……
「そうそう、あにぃ、そろそろ鞠絵のところに一度戻ってあげたら?」
 そうだ、鞠絵おねえたま泳げないから、きっと退屈してるよね。
「じゃ、ヒナ、一度あがろうか」
「うんっ!」
 パシャパシャパシャ
「ほら、ヒナ、上がれるか。俺が手をひいてやろうか」
「うんっ!」
 でね、ヒナ、おにいたまに。うんしょ! ってひっぱり上げてもらったんだぁ。えへへ。
「おにいたま、ありがとう!」
「な〜に、ヒナのためならこれくらいどうって……イタイ、イタイッ!」
 あれっ!? 衛おねえたまが、おにいたまの後ろから、口をひっぱってる。
「あ・に・い〜! な〜に、顔をニヤツかせてるのかな〜」
 衛おねえたま、顔は笑ってるのに、目は笑ってないの。
 ……とっても、器用なんだぁ。
「イタイ、イタイっ! 口が伸びるっ!!」
「……あにぃったら、雛子のこととなると、すぐデレデレしちゃうんだから……」
 おにいたま、やっと、放してもらえたみたい。
 でも、お口って、あんなにビヨ〜〜ンって伸びるんだね。
 ヒナ、知らなかったぁ!
「……まったく、危うく口裂け女になるところだったぞ」
「……そんな昔の噂、いまどき誰も知らないよ。あにぃ……」
 ……???
 
 あの、パラソルの下で、鞠絵おねえたまが待ってるんだぁ
「おかえりなさい。兄上様」
「お待ちしておりましたわ。にいさま!」
 
「あっ! 白雪おねえたまだ!」
 
 ズデーンッッッ!!
 
 ……おにいたま、プールサイドで転ぶのは危ないよぉ
「し、白雪! おまえどこからわいてきたっ!!」
「まっ! 失礼な! 姫のことをボーフラみたいに言わないで欲しいですわっ!」
「し、しかし、誰にも言わずに出てきたはずだが……」
「もちろん、姫にはわかってましたわ! にいさまが出かけたのは、姫に後を追いかけてきてもらいたいってことですわねっ!」
「……おい」
「それから、行き先も告げずに行かれたのは、場所を探し出すことで、姫からにいさまへの愛の強さを確かめたかったからでしょうっ!! ねっ! にいさまっっ!!!」
 
 ドゲシッッ!!
 バタッ……
 
「そろそろ、お昼に致しましょう。兄上様」
「……そ、そうだな。鞠絵…」
 鞠絵おねえたま… 白雪おねえたまの後頭部をポカ〜ンてやった、その辞書、いったいどこから出してきたのぉ……
 
「じゃあ、どこか行こうよ。そうだっ! 今日はヒナの誕生日だからね。 ヒナ、何が食べたい?」
 衛おねえたまが、そう言ってヒナの頭をナデナデしてくれたの。
 ヒナが食べたいのは……んーと、んーと……
「甘いものっ!!」
「あははは、ヒナ、甘いものはデザートの時のお楽しみだよ。ねっ、あにぃ」
「そうだな。まずはちゃんとごはんをたべないとな。なっ、ヒナ」
「えー…」
 せっかく、甘いものがいっぱいいっぱい食べられると思ったのにぃ……
 
 ガバッッ!!
 
「そういうことなら姫におまかせっ!」
「うわっ! 急に起き上がるな白雪! びっくりしたぞ!」
 
 ドゲシッッ!!
 バタッ……
 
「それでは、どこに行きましょうか? 兄上様」
 鞠絵おねえたま…… こんどはそのおっきな百科事典、どっから出してきたのかなぁ……
 
 ガバッッ!
 
 あっ! すご〜い、白雪おねえたま。もう慣れたんだぁ
「こんなことぐらいでくじけませんわ! ほら、ヒナちゃんのために家で作って来たのですよ!」
「わ〜い。甘口抹茶小倉スパゲッティだぁ」
 
 ズデーンッ!
 ズデーンッ!
 ズデーンッ!
 
 ………どうしたのかな、おにいたまと衛おねえたまと鞠絵おねえたま。何にもないところで転んじゃうなんて。
 
 ……ヨロヨロ
「……白雪…その怪しげな物体は何かな…」
「物体とは何ですかっ! この甘口抹茶小倉スパは、某喫茶店でも大人気のメニューですわよっ!」
「……本当かよ」
 う〜ん。とっても甘そうないい匂いだなぁ。
「ねえねえ、おにいたま」
「ん? なんだいヒナ」
「早くたべようよー」
「マジ!?」
「うん…?」
 なんで、おにいたまたちそんなに驚くのかなぁ。
「……わかった。ヒナがそこまで言うんだったら、俺も覚悟を決めよう。なあ、衛と鞠絵も付き合ってくれるよな?」
「ボ、ボクはおなかすいてないからいいよ…」
「えーと、わたくしもちょっと食欲が……」
「あっ! 二人とも逃げやがったな! ……しょうがない、俺一人が犠牲になるか。とほほ…」
「……にいさま。どうしてそんなに悲壮な表情で・す・のっ!!」
「そりゃ白雪。これを見れば誰だって…」
「いっただきまーす!」
 パクッ!
 ツルツルツルッ!
「おいしいーーっ!!」
 こんなに甘いスパゲッティ食べたの、ヒナ初めて!
 お菓子みたいでいっぱい食べられそう!
「あ、あれ!? ヒナ、おいしそうに食べてるぞ」
「ねー! 姫が言ったとおりでしょ」
「……うーん。それじゃ俺も食べてみるか…………うっっ!!」
 おにいたま、スパゲッティをパクってしたまま動かなくなっちゃた。
 ……お顔が紫になっちゃたけど、だいじょうぶかなぁ。
「甘すぎるわぁぁっっっ!!!」
「…口の物を吹き出すのは行儀悪いですよ。兄上様」
「……あにぃ、きたない」
 あっ! そうだ! いいこと考えちゃった。
「白雪おねえたま! 三度のごはん、このスパゲッティにしてほしいなぁ」
「ヒナちゃん望みだったらいくらでもかなえてあげますわ! これからは甘口抹茶小倉スパと甘口いちごスパとしるこスパのローテーションで…」
「頼む! 絶対にやめてくれ…」
「ボクからも!」
「わたくしもそれはちょっと…」
 なんでおにいたまたち、お顔が真っ青になっちゃったのかなぁ……
 
 夕方、いっぱいいっぱい遊んで、おうちにかえったの。
 ヒナ、ちょっと疲れちゃったなぁ。
 そしたらね、おにいたまが後で部屋に来てほしいって言うの。
 ヒナのために特別な誕生日のプレゼントをくれるんだって。わーい!
 
 コンコン
 
「おにいたま?」
「おう、ヒナか入ってくれ」
「は〜い!」
 わくわくわく。
「今日はヒナのために特別なプレゼントを用意したんだ」
「わーい。おにいたま大好き!」
 
 ガシッ。
 
 えっ!?
 おにいたま、ヒナの両肩に手をかけて、ヒナのことジッとみつめるの。
「……ヒナ、目を閉じて」
「う、うん。おにいたま」
 ドキドキドキドキ…………
 
 ドガァッッ!!!
 ズルズルズル………
 
 えっ!?
 変な音にヒナ思わず目をパッチリしちゃった。
「まったく、兄君さまったら油断するとすぐこうなんですから……」
「四葉がチェキしてて良かったデス。あぶないところでした」
「そうですわ。だいたいワタクシの出番ってこれだけ?」
「まあまあ、四葉なんて前回出番すらなかったんデスから」
 春歌おねえたまと四葉おねえたまが、キュウってなったおにいたまをズルズル引きずっていってる……
 
 あ〜ん!
 おにいたまーー!
 ヒナのプレゼントはー!!
 
 〜おしまい〜
 
あとがき
この話は雛子のBD記念SSということでSPSSさんに投稿した話ですが、書くのにすんごく苦しみました。
……だって、雛子じゃギャグにならないんです(笑)
というわけで、他のメンバーをボケ&ツッコミ役にして、雛子の視点という形にしました。
 
余談ですが、甘口抹茶小倉スパは実在します。
名古屋にあるその筋では有名な某喫茶店で本当に出しているメニューらしいのですが…
ちなみに本文中で出てきた甘口いちごスパとしるこスパの他にもマンゴースペシャル辛口かき氷やサボテンピラフなどがあるそうです。
おまけに味もタイトル通りだそうです(笑)

 
2000年8月15日発表
2001年8月3日改訂

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