W.シューマン ニュー・イングランド3部作

指揮アンドレ・コステラネッツ
演奏ニューヨーク・フィルハーモニック
録音1958年3月16日
カップリングバーンスタイン 「キャンディード」序曲 他
発売SONY
CD番号SBK 63034


このCDを聴いた感想です。


 この演奏の指揮をしているコステラネッツは、コンサートホールで芸術性ばかりを追求した演奏をするような指揮者ではなく、大衆向けのいわゆるライト・クラシックの編曲と指揮で名前を知られています。
 それだけでなく、同時代のアメリカの作曲家に対する後援にも力を入れていたそうで、この「ニュー・イングランド3部作」も、コステラネッツの依頼により作曲されたものだそうです。
 つまり、この演奏は、曲の依頼者かつおそらく初演者の演奏ということになります。
 また、作曲されたのが1956年で録音が1958年ですから、曲が作られてからまださほど経っていない時期の録音というわけです。
 作曲から録音までの2年間に何回演奏する機会があったかはわかりませんが、録音を聞く限りは作曲されたてホヤホヤらしいぎこちなさは全然無く、まるで10年以上も演奏してきたかのような手慣れた演奏です。
 もともと派手な曲ということもありますが、ニューヨーク・フィルの威力を生かしたパワーのある演奏で、勢いもあります。
 1980年代や1990年代に録音された他の指揮者の後年の演奏に較べると、多少粗いところもありますが、完成度はそう悪いものではなく、パワーが前面に出ているだけにスカッと爽快に感じます。
 また、ピアノとフォルテの幅を広く取って起伏を大きくつけ、いろいろと聞かせ所を強調しています。芸術性をどうこうというより、聞く者を楽しませる演奏ですね。
 これは、誰が演奏してもたぶん派手になるであろう第1・3楽章よりも、静かな第2楽章<イエスが歎きたもうとき>に最も特徴が表れています。全編ゆったりとした曲調ながらも、動きを大きくして表現の幅をかなり広くとっています。そのため静かで穏やかな雰囲気とは言えなくなってしまいましたが、その分、劇的になっています。
 全体としても表現力の大きい演奏で、作曲の依頼者の指揮であるという点を抜きにしても、十分に聴く価値があると思います。(2006/7/8)


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