W.シューマン 「チェスター」 〜バンドのためのオーバチュア〜

指揮大橋幸夫
演奏国立音楽大学ブラス・オルケスター
録音不明
カップリングA.リード 序曲「インペラトリクス」 他
吹奏楽名曲選
販売日本コロムビア
CD番号COCG-13097


このCDを聴いた感想です。


 W.シューマン作曲の「チェスター」というと、以前感想でも取り上げました「ニュー・イングランド3部作」の中の終曲が、やはり同じように「チェスター」と名づけられていますが、この「チェスター」は、同じテーマを使ってますが、こちらは吹奏楽曲です。
 というか展開も良く似ています(笑)

 「ニュー・イングランド3部作」とほぼ同時期に発表されていますが、「ニュー・イングランド3部作」の方が作曲は早いらしいので、おそらくその中の「チェスター」を吹奏楽曲に改作したものだと思います。(ちなみにシューマンは、「ニュー・イングランド3部作」の第2曲の「イエスが涙を流したもう時」も同様に吹奏楽曲にしています)
 展開は良く似ているのですが、実は丸っきり同じわけではありません。

 この曲は、管弦楽曲の方も吹奏楽曲の方も、構造自体は、テーマをコラールで賛美歌風に奏でる静かな部分と、打って変わってマーチ風のにぎやかな部分の、二つで構成されているところは共通しています。
 最初のコラールが木管で静かに演奏される部分は、全く同じと言って良いほど良く似ていますが、管弦楽曲の方が、一回テーマが演奏されるとすぐマーチに入ってしまうのに対して、吹奏楽曲の方は、一回テーマが演奏された後、もう一度、今度は金管によって同じテーマがコラールで繰り返されてからマーチに入ります。
 マーチへの導入はオーケストレーションに違いがあるものの、短い全員によるアクセントが二回繰り返されるところは、同じコンセプトです。
 マーチに入ってすぐの部分は、両方とも良く似ていますが、展開していくにつれ、かなり離れていきます。
 吹奏楽曲の方が、展開も長く、いろいろなバリエーションがあります。
 そのため、トータルの時間もかなり違い、管弦楽曲の方が、3分ぐらいなのに比べて、吹奏楽曲は6分半ぐらいと、2倍以上長くなっています。
 でも、わたし自身は、管弦楽曲バージョンの方が好きなんです。実は(笑)
 理由は簡単で、マーチのバリエーションの中で、管弦楽曲の方にはあるのに吹奏楽曲の方ではカットされてしまったものがあり、そのバリエーションがすごく好きなのです。
 えっ!? 内容ですか? ……金管がバリバリに出てくるという、あんまり管弦楽曲らしからぬ変奏です……(笑)

 ところで、パッと聴いた感じでは、どちらも同じ雰囲気です。
 ……ウィンド・アンサンブルとオーケストラでは、編成がかなり違うはずなのに…
 以前、「ニュー・イングランド3部作」について書いたとき、『ほとんど吹奏楽』と形容したのですが、今回吹奏楽版を聴いて納得しました。
 「楽器の扱いが、まるで吹奏楽と同じじゃん(笑)」
 道理で同じ雰囲気になるはずです。
 まあ、わたしは結構こういう扱い好きなんですけど(笑)(2000/12/27)