W.ペイペル チェロ協奏曲

指揮ウィレム・メンゲルベルク
独奏チェロ:マリックス・ローヴェンゾーン
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1936年11月22日
発売及び
CD番号
AUDIOPHILE(APL 101.541)


このCDを聴いた感想です。


 録音が古くてあまり細かい部分までは分かりませんでしたが、いろいろな調性が入り組んだ、かなりややこしい曲です。
 和音はもちろん、メロディーも臨時記号が山ほど使われていそうな、いかにも現代曲風の不安定なものがほとんどです。
 ただ、楽器の演奏方法はそれほど特殊なことをしているわけではなく、現代曲でありがちな、打楽器みたいに叩きつけるような音を出したり、雑音みたいな音でインパクトだけ求めたりといったことはしていません。
 和音はいくら不協和音でもちゃんと響きに意味をもたせていますし、ちゃんとメロディー+和音という形は保っています。
 それに、そういうメロディーばかりではなく、中には、いかにもロマン派のメロディーっぽい寂寥感を漂わせたゆったりとしたものもあります。もっとも、その背後の伴奏は闇に蠢く影みたいに複雑で細かい動きをゴチャゴチャとやっていて、寂寥感べったりではありませんが。
 全体的な聴いたイメージとしては、不安と暗さが入り混じった感じで、彩りは薄く、少し突き放したような冷たさがありました。

 ソリストのローヴェンゾーンは当時のコンセルトヘボウ管の首席奏者で、この曲は、ローヴェンゾーンの首席奏者引退記念コンサートのために書かれた曲だそうです。
 おそらくこの録音は初演の様子なのでしょう。
 この曲はチェロ協奏曲ですから当然チェロが主役のはずですが、実はあまり目立っていません。
 録音が古いせいもあるのですが、ソロがオーケストラに埋もれてしまい聞こえてこない部分が多いのです。
 この演奏に立ち会ったであろう作曲者のペイペル本人もこれはイカンと思ったらしく、後にもっとチェロが目立つように改訂したそうです。
 CDの解説には、この録音はオリジナル版唯一の録音と書かれてありましたが、そもそもこれ以外の録音自体見たことが無いのですが……
 まあ、もしかしたら本国では他にも出ているのかもしれません。

 ついでに、このCDには、演奏に引き続いてメンゲルベルクのスピーチが入っています。
 しかし、オランダ語とあっては内容はさっぱりわかりません。
 一応、何となくは雰囲気は伝わって来ますが。
 また、どうやらスピーチの途中で録音は切れているようなのですが、どっちみち内容がわからないのですから、そう大した問題ではないでしょう(笑)(2004/7/17)


サイトのTopへ戻る