W.A.モーツァルト 交響曲第39番 変ホ長調

指揮ブルーノ・ワルター
演奏BBC交響楽団
録音1934年5月22日
カップリングモーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」序曲 他
発売EMI
CD番号CHS 7 63912 2


このCDを聴いた感想です。


 基本は速めのテンポを保って調子よく進んでいくのに、なぜかところどころで突然テンポが変わる演奏です。
 冒頭のアダージョはかなりテンポが遅く、この分だとアレグロになってもそう速くならないのではないかと思わせておいて、アレグロからはむしろ速いテンポですし、そのまま一定のテンポで真っ直ぐに進んでいくのかと思えば、展開部に入ったところで急にテンポが少し落ちて妙に落ち着きます。
 第2楽章も、ピアノの部分はほぼ一定のテンポなのに、フォルテになるとそれまでと打って変わって重くゆっくりとした音楽になったりと、おそらく劇的な効果を持たせたり、強調する意図なのだと思いますが、どうもそれまでとあまりに音楽が変わりすぎて、かなり不自然に聞こえます。意表を突かれるという点では面白いのですが、いくらなんでも少しやりすぎているように感じました。
 テンポを急に変えているだけあって、重い部分とスピード感を出す部分とのメリハリはついていて、特にテンポの速い部分はキレの良い音で、勢いがあります。その反面、テンポの遅い部分は、録音があまりよくないため、重い割に今一つ力強さがなく、今一つ効果が出ていないように聞こえました。個人的には、できれば速いテンポのままずっと通して欲しかったかなとも思います。
 メロディーの歌わせ方は、後年のニューヨーク・フィルやNBC響との演奏の頃のようにわりと直線的でワルターにしては少し硬めかなとも思いますが、あまりロマンティックになりすぎず、形が整っているところが、むしろこの曲に合っているようです。
 これは、演奏するオーケストラがワルターでは数少ないBBC響というもの影響しているかもしれません。同じCDに収録されているウィーン・フィルと較べると、やはりどうしても硬く聞こえてしまいます。ただテクニックやアンサンブルは予想よりも悪くありません。設立からまだ4年、しかも設立直後にビーチャムによってロンドン・フィルに何人も引き抜かれているはずですが、細かい部分も結構揃っており、なかなか高いレベルを保っているようです。(2005/4/23)


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