W.A.モーツァルト 協奏交響曲 変ホ長調

指揮ヘンリー・スウォボダ
独奏ウィーン・フィルハーモニー木管グループ
 オーボエ:ハンス・カメシュ
 クラリネット:レオポルド・ウラッハ
 ホルン:ゴットフリート・フォン・フライベルク
 ファゴット:カール・エーベルガー
演奏ウィーン国立歌劇場室内管弦楽団
録音1949年
カップリングモーツァルト 協奏交響曲 変ホ長調(K.364)
発売MCAビクター(Westminster)
CD番号MVCW-19013


このCDを聴いた感想です。


 モーツァルトの協奏交響曲は二つあり、調は両方とも変ホ長調ですが、一つはソロがヴァイオリンとビオラ、そしてもう一つが今回取り上げるオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットの木管4本(ホルンは金管でしたね)がソロのものです。
 ヴァイオリンとヴィオラの方は、モーツァルトの真作がほぼ確定していますが、木管4本の方は、以前から偽作の噂が絶えず、近年調査が進むにつれて偽作の可能性の方がますます高くなっているという、なかなか怪しげな作品です。
 ただ、わたしは研究者ではありませんし、曲が良ければ、モーツァルトであろうとなかろうとどっちでも良いかなと。
 真作のヴァイオリンとビオラのもの、怪しげな木管4本のもの、どちらも同じように好きですから。
 まあその辺はさておき、演奏についてですが、なんといっても4人のソリストの音色と歌い方が印象に残りました。
 これがウィーンらしさというのでしょうか。基本的に明るい音色です。
 でも、フランス系の派手な極彩色の明るさと違って、もうちょっと淡いどっちかというと素朴な感じの明るさです。ちょっとゴツゴツとした角張った音で楽器のカラー自体はそれぞれわりと違いが出ていますが、楽器同士が近づけるところは近づけて音色を溶かせ合い、でも、完全に融合するのではなく、自分の楽器の音色はコレという核の部分はちゃんと残しているという、なかなか適度な具合を保っています。
 その一方で、メロディーなどの歌い方は、見事なまでに揃っています。
 強弱や音の長さだけでなく、微妙なニュアンスまで全く同じで、ユニゾンで吹いているところに至っては、実は一人で二つの音色が出る楽器でも吹いているんじゃないでしょうか(笑)
 そのニュアンスというのが、例えば直線的であまり表情に変化をつけない歌い方ならまだわかるのですが、まるで正反対の表情豊かな歌い方で、特に、音の出し方や切り方をちょっとずつ変化させて細かい表情の違いを出しているのに、そこまでピタッと同じなのには、ほとほと感心しました。
 さらに、これはバックのオーケストラにも共通するのですが、軽快な点も驚きました。
 軽快といっても、テンポはそれほど速いわけではありません。猛スピードで突っ走っていくような緊張感の高いものではなく(これはこれで好きですが)、ずっとリラックスしていて、足取りも軽く歩いているような、とても楽しい雰囲気にあふれています。
 田舎風で洗練されていないけど素朴で明るく、なんだか音楽を演奏する嬉しさが表にあらわれています。
 まあ、本当は、ウィーンといえばそれなりに大都市ですし、こと音楽に関しては世界有数の都市ですから、とても田舎どころの騒ぎではないのですが、あんまり貴族風な持って回ったところはありませんし、現代の都市ような硬質な響きでもありません。
 おだやかなところから、優雅と言えなくもないのですが、わたしにとってはやはり素朴というイメージですね。(2004/12/18)


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