演奏 | ストックホルム室内金管五重奏団 |
録音 | 1993年2月27日〜3月2日 |
カップリング | エワルド 金管五重奏曲第2番・第3番・第4番 |
発売 | BIS |
CD番号 | BIS-CD-613 |
作曲者のエワルドは1860年頃サンクト・ペテルスブルクに生まれ、1935年に亡くなるまで、ほとんどペテルスブルクから離れることはありませんでした。 この人もロシアの五人組と同様に作曲が本業ではなく、本来はペテルスブルク工科大学の教授でした。 余暇に作曲を行う一方、アマチュアの弦楽四重奏でチェロを弾いていたりしています。また、ホルン奏者としても優秀だったそうで、その関係で、この曲を含む一連の金管五重奏曲が作曲されたのでしょう。 この曲は、三つの楽章に分かれていますが、全体でも13分弱という短めの曲です。 メロディーも民謡調といいますか、明るいけど、ちょっとひなびた感じの、心が安らぐ心地良いものです。 曲調も、一部暗めの部分が出てきますが、全体的に明るく、夏の日の田舎の夕方のような安らかな感じです。 わたしが一番好きなのは第3楽章なのですが、この楽章だけはテンポが速めで、マーチ風にちょっと派手で勇ましい雰囲気になっています。 また、メロディーもどことなく都会的で洗練された感じになり、展開も和音を中心とした重厚なものになります。 わたしはこの音楽の展開が非常に好きなのです。 形式的にはA→B→A→B→Aのようになっており、Aの部分が長調で、Bの部分が短調なのですが、それぞれのメロディー自体がまず好きな上に、この長調から短調、短調から長調への移り変わりの部分がまた素晴らしいのです。 ちょっとしたブリッジを経由をして移るのですが、その部分が自然でありながら、魅力的な展開なのです。 ストックホルム室内金管五重奏団の演奏は、吹き方がロシアっぽいな、と感じる部分もありますが、それぞれの腕は上手く、息もピッタリ合っています。 ただ、音色的には、もうちょっと溶け合ってほしいところです。どうしてもプレイヤー一人一人の音が自己主張しすぎるようです。(2000/10/6) |