指揮 | サイモン・ラトル |
演奏 | バーミンガム市交響楽団 |
録音 | 1992年1月 |
カップリング | プロコフィエフ スキタイ組曲 |
発売 | EMI |
CD番号 | CDC 7 54577 2 |
ラトルといえばベルリンフィルの指揮者になってしまいましたが、わたしはまだバーミンガム市響をトップクラスに育て上げたイメージがまだ強く残っています。 わたしも、ラトルの演奏をそんなに多く聴いたことがあるわけではありませんが、聴いた限りでは、メロディーを歌わせるというより、すっぱり割ったような切れと、風通しの良い響きが魅力だと思っています。 この演奏もそういったラトルの切れのよさが随所に感じられます。 特に第2楽章や第4楽章のようなテンポが速い楽章では、メロディーが生き生きとしてきます。 この曲はロシア的な民俗性よりも、現代風の機能性をより強く感じますが、ラトルの演奏を聴くと、さらに現代的な雰囲気が強調されてきます。 たしかに、イギリスのオーケストラで民俗性を求めるほうがおかしいということもあるでしょうが… そのため、例えば第3楽章のような叙情性が高い部分だと、色彩感に乏しくなり、無味乾燥に聞こえてしまいます。 一つにはわたし自身が第3楽章はあまり好きではないというのがあるのでしょうが(笑) そいうえば、プロコフィエフといえば、亡くなった日がスターリンと完全に一緒なんですよね。 プロコフィエフはソヴィエト国内で活動していたため、たえず当局から干渉を受けていたと思われます。 特にスターリン時代にはショスタコーヴィチ批判やジダーノフ演説もあり、作曲活動は文字通り命懸けでした。 プロコフィエフがもう少し長生きして、フルシチョフ批判を聞いたら何と思ったことでしょう? 結局本質は変わらないと思ったかもしれませんが……(2000/6/30) |