指揮 | ウラディミール・フェドセーエフ |
演奏 | モスクワ放送交響楽団 |
録音 | 1993年8月29〜31日 |
カップリング | プロコフィエフ 「ロメオとジュリエット」 他 |
発売 | CANYON |
CD番号 | EC3687-2 |
この組曲は5曲で構成されていますが、この演奏での一押しは第4曲の「トロイカ」です。 わたしが組曲の中で一番好きという事もあるんですが、このノリの良さは素晴らしいと思います。 テンポ自体は、目を見張るほどの速さという訳ではないのですが、爽快な疾走感があります。 タンバリンが強調されているところが、またそれを助長しています。 特に、中間部のファゴットとサックスがメロディの部分は、妙に割れ気味の音色いい、最高にノッた演奏を聞かせてくれます。 でも、この「トロイカ」、改めて聴き直してみると、疾走感の裏側では、弦楽器(特にヴァイオリン)って無茶苦茶細かい動きをしてるんですよね。 まあ、それがピッタリ揃っている、モスクワ放送交響楽団の実力も凄いものがあります。 さらに、速いパッセージを弾いていない時は、チャイコフスキーの交響曲第4番の第3楽章並みのピチカートをやらされてたり、大変そうです。 大学時代の先輩が、この曲の譜面を渡された時(ちなみにその人は、セカンドヴァイオリンだった。ついでい言うと、ファーストヴァイオリンの2倍細かい……(汗))、「こんなの弾けるかぁっっ!! プロコフィエフちょっと来いっ!!」とおもわず思ったそうです(笑)。 全体を通しての特徴としては、まとまりより、各楽器の強調が目に付きます。 特に、管楽器と打楽器を表に出すことで、色彩豊かな演奏になっています。 さらに、音色がロシア風なので、微妙に重くて泥臭く、とてもグッドです(笑)。個人的にはもっと泥臭くして欲しかったなー とも思いましたが。 もう一つ嬉しいのが、不協和音の扱いの上手さです。 もちろん汚くてはいけませんが、あんまり整いすぎて綺麗な響きになるのも好きではありません。少なくともこの曲では(笑)。 この、不条理感というかねじれが好きなのですが、フェドセーエフは強調する音を調節することで、このねじれがとてもよく出ているように感じられます。 幻影の「キージェ中尉」という存在と、うまくマッチしてるんじゃないかな〜っと(笑)(2000/12/8) |