S.ラフマニノフ 鐘

指揮ドミトリー・キタエンコ
出演ソプラノ:ナタリア・ミハイロワ
テノール:セルゲイ・ラリン
演奏モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
ボリショイ歌劇場合唱団
カップリングラフマニノフ 交響的舞曲
録音不明
発売OLYMPIA(Melodiya)
CD番号OCD 116


このCDを聴いた感想です。


 ラフマニノフの「鐘」と言われても「へえー、ラフマニノフにそんな曲があるんだ。初めて知った」という方も少なくないと思います。

 ご安心下さい。

 もちろん、わたしもこの曲を演奏することになるまで存在すら知りませんでした(笑)

 というわけで、まずは曲の解説をします。

 この曲は管弦楽の他に合唱団と3人のソリストが入ります。
 構成としては4部に別れており、それぞれ象徴する『鐘』と『テーマ』があり、担当するソリストが決まっています。

 第1部は『銀の鐘』
 ソリストはテナーで、そりの鈴を彷彿させるような軽快なテンポの華やかな楽章です。
 テーマは『誕生』です。

 第2部は『金の鐘』
 ソリストはソプラノで、ゆったりと落ち着いた穏やかな楽章です。
 テーマは『結婚』です。

 第3部は『青銅の鐘』
 不安で攻撃的な激しい楽章です。ソリストはありません。
 テーマは『戦い』です。

 第4部は『鉄の鐘』
 ソリストはバスで、暗く沈んだ重厚な楽章です。
 テーマは『死』です。

 ちなみに、ソリストの出番は担当する楽章のみで、3人同時に出てくることはありません。
 また、合唱は全ての楽章に出てきます。
 なお、歌詞は、エドガー・アラン・ポーが書いた詩をもとにしているそうです。

 ところで、この曲の構成を見ていますと、古い曲で申し訳ないのですが、昔ヒットした『谷間に三つの鐘が鳴る』という曲を思い出します。
 戦いの鐘がないだけで、後の3つの鐘のテーマが全く同じなのです。
 やっぱり、鐘三つで人生を表せるという点に着目したところは、同じ発想なんでしょうかね。
 まあ、もしかしたらラフマニノフの方を聞いて、参考にしているのかもしれませんが(笑)

 さて、演奏の方ですが、キタエンコの演奏はわたしたちが想像するロシアの演奏とは大分異なっています。
 ロシアのオーケストラの演奏というと、どうしても豪快だが荒っぽい、力押しの演奏というイメージがありますが(わたしだけかも(笑))、キタエンコはまとまりのある精緻な演奏を聞かせてくれます。
 もちろん、まとまっているといっても、小さくまとまっているわけではありません。
 ここぞというときは、ロシアのオーケストラらしくパワフルに圧倒してきます。
 特に第3楽章での迫力はかなりのもので、アタックの効いた合唱と共にハッとさせるような緊張感を生み出しています。

 ところで、この演奏とは直接関係ない話なのですが、この『鐘』という曲は、実はメンゲルベルクとコンセルトヘボウ管弦楽団に献呈されています。
 でも、メンゲルベルクが初演したわけではないんですね〜 残念ながら(笑)
 初演は、サンクト・ペテルスブルクでラフマニノフ自身の指揮によっておこなわれたとのことです。(2001/6/1)


サイトのTopへ戻る