S.ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 ニ短調

指揮ユージン・オーマンディ
ピアノウラディミール・ホロヴィッツ
演奏ニューヨーク・フィルハーモニック
カップリングラフマニノフ ソナタ第2番
録音1978年1月8日
発売BMG(RCA)
CD番号09026 63681 2


このCDを聴いた感想です。


 この演奏は、ホロヴィッツのアメリカデビュー50周年を記念したゴールデン・ジュビリーコンサートのライブです。
 ホロヴィッツの打鍵のクリアさに、ライブ特有の高揚感が加わり、輝かしい演奏になっています。

 ホロヴィッツのラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、代表的なもので3種類録音があります。
 この演奏は、その中で最後の録音にあたり、しかも唯一のステレオ録音です。
 テクニックとしては、第2回目の録音であるライナーとの演奏の方が優れていると思いますが、なんと言ってもステレオ録音というのは大きく、細かな表情まで良く分かります。
 ホロヴィッツは、メロディーのニュアンスのつけ方が特に素晴らしいと思います。
 微妙なテンポの変化とダイナミクスの変化により、音に陰影がつき、立体的に音楽が楽しめます。

 また、ライブらしく、曲の山へ向けての盛り上がりは激しいものがあります。
 特に顕著なのがラストへ向けてのスパートで、曲の終りに向かってテンポをどんどん速くして煽っていく様は、聴く者を興奮させます。
 まるで、鼻先にニンジンをぶら下げられた馬のような気になってきます(笑)
 それは、ホールで聴いていた人たちにとってもそうであったらしく、曲が終わった後の拍手とブラボーは熱狂的です。一つは記念コンサートだからということもありますが……
 でも、実際にコンサートを聞いた人の話によれば、この最後の部分は他の日の演奏を繋いだりして、かなり修正がしてあるという事です。

 もちろん、この盛り上げにはバックのオーケストラも大きく貢献しています。
 オーマンディとニューヨーク・フィルというのは、あまり聞かない組み合わせですが、息は良くあっており、ホロヴィッツをピッタリサポートしています。
 まあ、考えてみればニューヨークとフィラデルフィアは、そう遠い距離ではないでしょうから、これまでにオーマンディがニューヨーク・フィルに客演する機会もちょくちょくあったのかもしれません。
 この頃のニューヨーク・フィルはブーレーズの最後の年にあたり、テクニック的にも最も充実していた時代の一つといってもよいのではないかと思います。(2001/2/23)


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