指揮 | ウィレム・メンゲルベルク |
独奏 | ピアノ:ワルター・ギーゼキング |
演奏 | アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 |
録音 | 1940年10月31日 |
発売及び CD番号 | AUDIOPHILE(APL 101.542) Music&Arts(CD-250) Classics Da Capo(171.921-2) |
ワルター・ギーゼキングはモーツァルトの演奏で有名ですが、これは珍しくラフマニノフを演奏しています。 ギーゼキングは表情付けはかなり豊かにしていますが、ラフマニノフだからといってロシア的な荒荒しさを表に出したりはしていません。そのため洗練された印象を受けます。 テンポ自体はかなり速めなのですが、伴奏のメンゲルベルクとコンセルトヘボウ管も思いっきり表情付けて演奏しています。 表情豊かなので、聴いていて叙情的な雰囲気は良く伝わってくるのですが、ラフマニノフ特有の甘い雰囲気はあまり感じられません。テンポが速いのと録音の状態も関係してくるのもしれませんが。 ところで、カップリングの第3番もそうなのですが、このCDのギーゼキングはミスタッチが非常に多いです。 ライブで修正が効かないという事もあるのでしょうが、現代の並みのピアニストでもしないだろうという目立つ部分でミスタッチをしています。 ギーゼキングってテクニックは怪しかったんでしょうかね? それとも、ラフマニノフは滅多に弾かないから? それとも昔のピアニストはそれぐらいミスタッチをするのは当たり前だったとか? うーん… わたしは、ラフマニノフとメンゲルベルクはかなり相性が良いのではないかと考えています。 ラフマニノフの叙情的な雰囲気が、チャイコフスキーを一歩進めた感じで、メンゲルベルクの特長であるロマン的にくずした解釈にピッタリ合うのではないでしょうか。 でも、この演奏を聴く限りは、それほど上手くいってないようです。 テンポが速すぎて、妙にセカセカした感じがします。 できれば、協奏曲でなく、交響曲とかで聴いてみたいですね。 録音は、40年代にしてはノイズが多く、あまり良い録音ではないと思います。 ただ、ライブ録音なので、その辺は差っぴいて考えなければならないでしょう。(2000/3/31) |