R.ワーグナー 歌劇「タンホイザー」序曲

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1926年5月
発売及び
CD番号
Pearl(GEMM CDS 9070)
EMI(CDH 7 69956 2)
東芝EMI(TOCE-8191〜99)
東芝EMI(FECC 30784〜5)
ARCHIPEL(ARPCD 0193)


このCDを聴いた感想です。


 メンゲルベルクはこの「タンホイザー」序曲をスタジオ録音だけで2回しています。
 この録音はその第1回目の方で、第2回目は6年後の1932年に行なわれています。
 両方とも会社はコロンビアで、第1回目から第2回目の間は6年しかありませんが、その頃の録音技術の進歩は著しかったらしく、録音状態はかなり差が出てきます。
 第2回目の方が、ノイズも少なく、それぞれの楽器もよりはっきり分離して聞こえます。
 それでは、なぜ今回、第1回目の録音の方を取り上げるかと言いますと…
 単純に、わたしが第1回目の録音の演奏の方が好きだからです(笑)
 スタイル自体は、全体に速めのテンポで進んで行き、ところどころポイントでタメたり、わずかにポルタメントを使用していますが、あまりねちっこくなく、ワーグナーとしてはそんなに重厚ではありません。
 ま、これはメンゲルベルク自身が若いということと、多分に録音が悪いという理由があるんでしょうが…
 さて、実はこれは第1回目、第2回目両方に共通した特徴です。
 確かに第1回目の方がよりスッキリしていますが、それほど目立った違いというほどではありません。
 では、どこが違うかといいますと、バランスの違いです。
 これは本来はリマスタリングの関係で、録音とは直接関係は無いのかもしれませんが、第2回目の方はバランスがあまり良くありません。
 これも個人的な好みというのがかなり絡んでいると思いますが…
 金管や木管がいわゆる「巡礼のテーマ」である「H−E−−−H−Gis−(音名と−は、それぞれ4分音符と考えてください)」を演奏しているときに、弦楽器が16分音符で「タラッタラッタラッタラッ…」と演奏している部分がありますが、この弦楽器がかなり出過ぎているのです。
 そのため、「巡礼のテーマ」の荘厳さがかなり失われています。
 わたしは、この「巡礼のテーマ」が大好きなため、それが邪魔されるのは、どうしても気になるのです。

 ちなみに、この演奏は、このCDの他に、東芝EMIより「メンゲルベルクの芸術」の中の一部として収録されています。
 そちらのCDとこのCDではリマスタリングがかなり異なっており、このCDは雑音はかなり残っていますが、楽器間の分離は良く、クッキリとした演奏が聴けます。
 一方東芝EMIの方は、雑音は少なめですが、音自体がノイズ・リダクションを掛けたように(実際掛けていると思いますが…)こもって聞こえます。
 わたしは、少なくともこの曲に関しては、クッキリとした方を好みます。

 また、ライブ録音ですと、1940年10月27日の演奏が残っています。
 この演奏は、スタジオ録音からかなり年月が離れている上、ライブですので、基本的なスタイルは変わらないとしても、ある程度差が出てきています。
 この演奏に関しては、また後日書きたいと考えています。(2000/1/29)


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