R.ワーグナー 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第一幕への前奏曲

指揮ハインツ・レーグナー
演奏ベルリン放送管弦楽団
録音1977年2月1・3・7・8日
カップリングワーグナー 「ラインの黄金」前奏曲 他
販売徳間ジャパン(シャルプラッテン)
CD番号32TC-43


このCDを聴いた感想です。


 この演奏の一番の魅力は綺麗なハーモニーです。

 それが一番良くわかるのが、金管を中心としたファンファーレ風のメロディーが出てくるところです。
 他の演奏では多かれ少なかれ楽器の地が出てしまい、響きを損ねてしまうのですが、この演奏では音をソフトに包みこむことで、響きだけを綺麗に聞かせてくれます。
 そう、実はこの演奏の特徴の一つは残響が非常に多いことにあります。
 いや、残響ともちょっと違うかもしれません。イメージ的にはライブ録音のように遠くのオーケストラを一本のマイクで拾って聴いているという感覚が最も近いでしょう。
 早い話が、オーケストラ全体の響きは非常に溶け合って録音されているのですが、個々の楽器がハッキリ聞こえてこないのです。
 まるで隣の部屋にあるスピーカーで曲を聞いているかのようです。
 ただ、聴いている分には確かにちょっと遠いような気もしますが、綺麗な和音を聞くのは非常に心地よく、気分が良いものです。

 演奏の方では、テンポに若干伸び縮みがあります。特に最後にシンバルが入る部分では大きくテンポを落とすので聴く人によっては違和感を感じるでしょう。
 わたしはテンポを揺らした演奏は好きなので、なかなかおもしろい解釈だと思いましたが。
 また、楽器間のバランスもいろいろ工夫しています。
 例えば、金管のファンファーレ風のメロディーは前半と後半で1回づつ登場するのですが、二回目に登場する際は、ティンパニーをかなり強く叩かせています。
 ティンパニーが強く入っていること自体は、わたしの好きなタイプなのですが、ただ、いかんせんこのティンパニーの音が大きすぎるのです。
 メロディーの金管まで消してしまって、ほとんどティンパニーしか聞こえなくなっているのです。
 さすがに、ちょっと強すぎるのではないかと思います。

 実は、この演奏には大きな問題点があります。
 それは音量レベルです。
 あまりにも低すぎます。ポータブルCDプレーヤーでは聞けないんじゃないでしょうか?  まあ、これは演奏というより録音やミキシングの問題なんでしょうが、もう少し調整を考えてやって欲しいものだと思いました。(2001/4/6)