R.ワーグナー 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1940年12月
カップリングベートーヴェン 交響曲第6番
販売TELDEC
CD番号243 728-2


このCDを聴いた感想です。


 メンゲルベルクのこの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲の録音はこれ一つだと思います。実演ではおそらく演奏しているとは思いますが、ライブ録音は見たことがありません。
 録音状態は40年代に入ってからのスタジオ録音なので、比較的良い方ですが、TELDECの録音はなぜか金属色が濃く出ていて、どうもいまひとつです。まぁ、これもリマスタリングでかなり変わってくる可能性がありますが…
 CD自体が10年以上前のものなので、まだCDにあった復刻方法がされてなかったのかもしれません。
 このTELDECのシリーズはドヴォルジャークの「新世界」をCD化していたり貴重な復刻が多いのですが、適当な表記をしている事があるのには笑ってしまいます。
 AADとADDがジャケットとCDでは違っていたり、堂々とSTEREOと表記してあったりします。
 一瞬、「この時代に実験的にステレオ録音していたのかっ!」と期待してしまいましたが、中を聴くと、やっぱりモノラルでした。
 まあ、カラヤンの実験録音さえ1944年…ぐらいでしたっけ? ですから当然なんですが(笑)
 TELDECは最近…といっても、もう2〜3年前ですが、一部を復刻しなおしていたのですが、何枚かで止まってしまいました。
 10年前出ていたこのシリーズは、もう手に入る可能性がほとんど無く、また、復刻しなおしていた方が音が良かったので、ぜひ、最後まで再CD化してほしかったものですが…

 演奏の方は、どっしりとして迫力がありますが、より聴き所であるのはレガートのゆったりとしたメロディーの部分だと思います。
 まず、スタッカート中心のメロディーは、音自体は必要以上に短めにはしませんが、テンポを速めに取り、前にドンドン進んで行く力強いイメージが出ています。
 そして、レガート中心のメロディーは、テンポも遅くし、また、かなり伸び縮みさせることで、メロディーがかなり歌い込まれ、とても濃い雰囲気です。
 このレガートの部分はポルタメントを加えたりして、他では聴くことができないような、独特な酔ったような気持ち良さを感じられます。
 曲の性格上、これらのスタッカート中心のメロディーとレガート中心のメロディーが交互に表れたり、同時に演奏されたりするので、対比されて、その差がよりはっきりと浮かび上がってきます。

 この録音は音の強弱があまりはっきりと出てきていないので、それがわかればもっと差がはっきり出るかもしれないのにな〜と思うと、ちょっと残念です。(2000/3/10)