指揮 | ブルーノ・ワルター |
演奏 | NBC交響楽団 |
録音 | 1940年3月2日 |
カップリング | シューマン 交響曲第1番<春> |
販売 | AS Disc |
CD番号 | AS 413 |
1940年でしかもライブ録音ですが、NBC交響楽団ということもあり、録音状態は決して悪くありません。 ま、戦前から戦中にかけての録音のレベルから考えての話ですが… 演奏自体は、テンポの速さとオーケストラの機能性とがあいまって、キレがよく、かなり気持ちが良い演奏です。 アメリカに渡ったばっかりのこの頃のワルターは、トスカニーニの影響を受け始めて、前進力に溢れた演奏スタイルに変わってきていましたが、まだ柔らかさをだいぶ残しています。 それに加えて、NBC交響楽団自身がパワーを持っているため、アタックがとっても格好良く決まっています。 この格好良いというのは綺麗というのとはまた違い、力強さから来ています。 それはダイナミックの差にも表れています。録音状態の悪さを通り越してハッキリとわかります。特にフォルテの部分の金管楽器は完全に鳴りきっていて、すごい迫力です。 ワルターは実は、楽譜にいくらか手を加えています。 一番顕著に表れるのは、第1楽章で、楽章の中ほどで、全楽器がフォルティッシモで演奏し、譜面上は木管楽器が8分音符と16分音符のシンコペーションのメロディーを演奏し、金管は小節の1拍目と3拍目に8分音符を吹くだけのはずですが、ワルターは金管楽器、特にトランペットに木管楽器が演奏するメロディーを吹かせることで、よりメロディーを浮き立たせています。 それによって、他の演奏にない格好良さが感じられます。 わたしがNBC交響楽団の演奏について書くのは二回目ですが、考えて見ればどちらもトスカニーニの演奏ではないんですよね〜 次にNBC響の演奏を取り上げる際は、やっぱりトスカニーニの演奏のものにしたいですね。(2000/1/21) |