R.シューマン 交響曲第1番 変ロ長調 <春>

指揮ベルナルト・ハイティンク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1983年2月
カップリング「シューマン 交響曲全集」の一部
発売PHILIPS
CD番号416 126-2


このCDを聴いた感想です。


 この演奏をきいていると、「ああ、やっぱり俺はコンセルトヘボウ管が好きなんだな」としみじみ思います。

 これは、そのままハイティンクの長所とも重なっているのですが、

 まず、締まったアンサンブル。しかも昔のシカゴ響のように硬質ではない。
 柔らかい響き。でも無闇に残響が多すぎることも無く芯が残っている。
 そして、小さく鋭いが飛び出しすぎないアクセント。
 おまけに、まるで一つの楽器と思えるぐらい統一感のある弾き方・吹き方。

 テンポといい、バランスといい、全てが「こうあって欲しい!」と思っていた希望通りなのです。

 ある意味、理想の演奏と言えるかもしれません。

 中でも特筆すべきなのは和声の響きの綺麗さです。
 とりわけ印象に残っているのは、第3楽章の第1トリオの木管です。
 わたしも、この曲の演奏をそれほど聴いているわけではありませんが、今まで聴いた中では、この部分の和音が一点の濁りも無く聞こえたのはこの演奏だけです。

 また、ハイティンクの指揮もコンセルトヘボウ管の魅力を存分に引き出しています。

 例えば第2楽章では、メロディーをかなり歌わせているのですが、決して品が無くなったりせず、優しげな雰囲気を保っています。
 さらに、曲が盛り上がる部分でも、興奮して感情が表に出てしまったりはしません。
 他の楽章でも、フォルテは、あくまでも響きが一番大きく広がる部分であり、力を入れすぎないために、かえって雄大なスケールが生まれています。
 かと思うと、じっくり聴いていると、小さな音符一つ一つまでニュアンスが統一されていることにも驚かされます。
 オーケストラの隅々まで目が行き届いているのがわかるようで、ハイティンクが録音当時(1983年)までに20年以上コンセルトヘボウ管を率いて来ただけのことはあります。
 この曲の副題は<春>ですが、この演奏は、明るい演奏ながらほどよく力が抜けているところが、冬ほど厳しくなく、夏ほど力強くない、なにかのんびりした「春」という雰囲気にピッタリ合ってるように感じられます。

 この演奏は、録音も大したものです。
 デジタル録音ということもあり、一つ一つの音がとてもクリアーに録音されています。
 かといって、昔のSP録音みたいに、個々の楽器の音が完全に別個に分離して聞こえてしまうことはなく、全体が一体となってまとまって聞こえ、バランスも申し分ありません。(2001/5/18)


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