指揮 | セルゲイ・クーセヴィツキー |
演奏 | ボストン交響楽団 |
録音 | 1935年1月22日 |
カップリング | R.シュトラウス 交響詩「英雄の生涯」 他 「R.シュトラウス・ヒストリカル・レコーディングス」の一部 |
販売 | BMGビクター |
CD番号 | BVCC-7079〜80 |
この「ツァラトゥストラはかく語りき」はとっつきにくい曲でした。 曲の頭の部分は映画でも使われたこともあり、なかなか馴染みやすかったことが、かえってその後の部分の印象を悪くしてしまったのです。 そもそも、テーマからしてニーチェの哲学書ですから(もっともわたしは読んだことはありませんが(笑))、簡単にわかろうと言う方が無茶なのかもしれませんが。 実は、最初はカラヤンの演奏を聴いていたのですが、やはり曲のイメージがさっぱりつかめずひどく退屈に感じました。 カラヤンも「ドン・キホーテ」の演奏は非常に好みだったので、これもいけるかと思ったんですが、そう上手くはいかないようです。 で、前振りが長くなってしまいましたが、クーセヴィツキーの演奏に出会ったわけです。 この演奏を聞いて、わたしは初めてこの「ツァラトゥストラ」が楽しめました。 この演奏は1935年の割にスタジオ録音ということもあって音はかなり良いほうだと思いますが、R.シュトラウスの録音に欠かせないと思われる音の拡がりが欠けています。 まあ、1935年の演奏にそこまで求めるほうが無茶という話もありますが…… 音の拡がりが欠けている代わりに、楽器一つ一つの音はかなり鮮明で、分離が良い録音なのです。 そのため、楽器の細かい動きが意外とよく見えてきて、音色の変化もよくわかり意外と華やかです。 そこがわたしにピッタリ合い、録音の古さを差し引いても、なお分かりやすい演奏になったのです。 もう一つ特徴として、テンポが速めという点があります。 テンポが速いため、聴く時に、あんまり細かい部分ばっかりに囚われることなく、もっと大きな単位で音楽を聴くことができたのです。 この曲の題名にも入っている「ツァラトゥストラ」って、ようするにモーツァルトの魔笛に出て来る「ザラストロ」なんですよね。 で、早い話が「ゾロアスター」と。 うーむ。この三者(?)って、わたしの頭の中では、どうも結びつきません。 みんなやっぱり「アーリマン」を打ち負かすために戦ってるんでしょうかね。(2000/11/10) |