R.メンゲルベルク (編曲) Wilhelmus van Nassauen(オランダ国歌)

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1938年11月30日
発売及び
CD番号
AUDIOPHILE(APL 101.541)
TELDEC(243 723-2)


このCDを聴いた感想です。


 ついにオランダ国歌の登場です。

 この曲は、世界の最古の国歌とされるだけあり、作曲は不詳です。
 一方、作詞者は『Marnix van St.Aldegonde』と分かっているのですが、この演奏には残念ながら歌を含まれていません。
 その代わりと言ってはなんですが、ウィレム・メンゲルベルクの従兄弟にあたるルドルフ・メンゲルベルクが編曲をしていますので、このサイトでは、便宜上、ルドルフ・メンゲルベルクの曲として扱っています。

 メンゲルベルクは、オランダ国歌を2回録音していまして、この演奏は第2回目の録音にあたります。
 ちなみに第1回目は1924年4月の録音で、まだ機械録音の頃でした。
 この時は、曲がオランダ国歌の癖に何故かオーケストラはニューヨーク・フィルハーモニックです。これはおそらく録音設備の関係でしょう。
 そして、第2回目のこの録音では、オーケストラも晴れてコンセルトヘボウ管になり、録音状態もぐっと鮮明になり格段に聴きやすくなっています。
 実は、この二つの演奏は編曲も大きく異なっています。
 この第2回目の方は、上記に書いた通り、ルドルフ・メンゲルベルクが編曲しているのですが、第1回目の方は、CDに付いて来たリーフレットを読む限りは、どうもウィレム・メンゲルベルク本人のようです。
 そもそも長さからして、第2回目の録音が2分20秒なのに対して、第1回目の録音は倍近い4分22秒もかけています。テンポ自体は、むしろ第1回目の方が速いくらいなので、楽譜上からして既に倍近い差があるのでしょう。
 オーケストレーションに関しては、何分、第1回目の録音の音が悪すぎて全く比較になりません。
 ……と言っても、せっかく二種類あるのに較べてみないのも勿体ないので、辛うじてオーケストレーションが分かりそうな部分を拾い上げて較べてみたのですが、その部分だけでもかなり違いがありました。
 やはり、後年のルドルフの編曲の方が、シンバルの出番が多い等、派手なつくりになっているようです。

 演奏は、さすがに国歌だけあって、非常に堂々と演奏しています。
 まあ、元々このオランダ国歌自体がイギリスの『ゴッド・セイブ・クイーン』張りにゆったりとした堂々とした曲という要因も大きいのですが……
 テンポも、ゆっくりながらも基本的には同じテンポを保っています。
 そして、フレーズの終りでは、一旦大きくテンポを落とすことで、強い緊張感を生み出しています。さらに曲の最後ではそれまで以上にテンポを大きく落として盛り上がりは頂点に達します。
 この最後の部分は、あまりもテンポを落とすため、聞いていると何だか曲が止まりそうに思えて来るほどです。

 音も、一音一音を音価分目一杯に伸ばして最後の瞬間にスパッと切るなど、普段より150%増ぐらいじゃないかと思える程の気合を込めて弾き切っています。

 やはり、国歌。思い入れ具合が他の曲とは一味違うようです。(2001/12/21)


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