指揮 | ウィレム・メンゲルベルク |
演奏 | ニューヨーク・フィルハーモニック |
録音 | 1926年1月4日 |
発売及び CD番号 | SYMPOSIUM(1078) Pearl(GEMM CDS 9922) |
メンゲルベルクはこの曲はおそらく1回しか録音を残していないと思います。 メンゲルベルクの録音は、よほど古いものでも、同じ音源を基にして複数のレコード会社から復刻されている場合が多いのですが、この曲はこのCD以外で見たことがありません。 もちろん、SPではプレスされていたとは思うのですが、CDではこれだけですし、CDにも録音年月日も年だけが明記されていて、月や日は掲載されていません。 カップリングになっているほかの曲には、ちゃんと月日まで明記されていることを考えますと、何となく怪しげです。 録音が25年ということは、おそらくアコースティック録音(機械録音)の最末期だと思いますが、録音状態は、わたしが今まで聴いた中でも最低の部類に入ります。 楽音よりも大きいパチパチいうノイズが常に入り、しかも音もピアノの部分は雑音に埋もれて聞こえず、フォルテの部分では、音がごちゃ混ぜに聞こえる上に、潰れかけています。 わたしは、スコアを見ながら聴いたので、まだましでしたが、何も知らずに聴いていたら、楽器の音を聞き分けることすら難しかったと思います。 唯一の救いは、音に歪みがほとんどなく、回転ムラなどが起きていないところでしょうか。 さて、演奏の方ですが、実はこれが結構気に入りました。 テンポの取り方は、晩年の演奏に近く、行進曲の割にはあちこちをいろいろ変えてあり、大きくテンポを緩めているところもあります。 そのテンポの揺らし方も、よりドラマティックに盛り上げる方向に変えていて、またそれが上手くいっています。 また、こんな録音では本当にわかったとは言い難いのですが、ダイナミクスのつけ方もいろいろ変えてあり、それがまた盛り上げるのを助けています。 ところで、この録音が行なわれた時点では、ニューヨーク・フィルは、まだニューヨーク交響楽協会と合併する前なのですが、その時の正式名称は何でしょう? ニューヨーク交響楽協会と合併した後(1928年以降)はニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団になるのは知っているんですが、その前はニューヨーク・フィルハーモニックで良いんでしょうかね? それともニューヨーク・フィルハーモニック管弦楽団とか… この辺が、わたしもまだよくわかっていないんです。もうちょっと資料を集める必要がありそうですね。(2000/4/14) |