M.ラヴェル バレエ音楽「ダフニスとクローエ」より第2組曲

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1938年10月6日
発売及び
CD番号
HISTORY(205254-303)
AUDIOPHILE(APL 101.550)
キング(KICC 2061)
ARCHIVE DOCUMENTS(ADCD.115)
Q DISC(97016)


このCDを聴いた感想です。


 ピアノの部分とフォルテの部分で、雰囲気にかなり違いがあります。
 良く言えばドラマティックといったところでしょうか。
 ピアノの部分は、不鮮明な録音のせいもあって、もわっとした、まさしく朝もやのような静けさで、第1部の「夜明け」などは、早朝の澄んだ雰囲気がよく伝わって来ます。
 弦楽器のメロディーなどは、柔らかく余裕を感じさせるような歌わせ方で、少々表情が濃い目ではあるものの、そこが逆に自然の緑の濃さを連想させ、豊かな気分になってきます。
 また、木管楽器などは、「夜明け」では、少しバランス的に強すぎて空気を乱していたり表情が固かったりするのですが、「無言劇(パントマイム)」などでソロとして登場するときは、だいぶ余裕が出てきて、歌わせ方にも情緒があり、洒落っ気が感じられるようになってきます。
 一方、フォルテの部分は、叩きつけるような硬さと、絶叫しているかのような激しさがあります。
 まさに力一杯という言葉が似合いそうなぐらい全力で演奏しており、たしかに迫力はあるのですが、フランスっぽい余裕のあるおしゃれな雰囲気とは……ちょっと言えませんね(笑)。
 特に、前半の「夜明け」あたりでは、ピアノでの柔らかさが嘘のようにフォルテは激しく、しかも、変にキッチリやろうとするあまり固くなってしまい、曲の流れにもどうも上手く乗りきれていません。
 ところが、これが第3部の「全員の踊り」に入ると、テンポもアップするためもあってか、それまでとは打って変わってノリノリです。
 音は、相変わらず硬く激しいのですが、これがまた曲に良く似合っています。
 動きのある曲調に合わせて、音楽が見違えるように生き生きとして躍動感も強く感じられるようになります。
 一定のテンポを保ちながら、どんどん突っ走って行き、曲の最後で一気に盛り上げて、狂騒状態に持って行くところなど、迫力があり、しかも豪快です。

 ただこの録音、冒頭でも少し書きましたが録音状態はあまり良くありません。
 雑音は気になるほどではないのですが、とにかく細かい音がほとんど埋もれてしまっています。
 1930年代のライブ録音ですから、あまり贅沢は言えないのですが、せっかくメンゲルベルクにしては珍しいラヴェルなのですから、背後でいろいろ面白い事をやっている伴奏の動きなんかも、しっかりと聴いてみたかったものです。
 また、わたしの持っている5枚のCDを聴き比べて気がついたのですが、Q DISC(97016)だけ、曲が終った後の拍手が他のCDと異なります。
 それ以外の4枚の拍手は同じであることから考えると、おそらくこのCDだけ他の拍手を流用してくっつけているのではないかと思います。
 まあ、違いは拍手だけなのですから、そう大した違いではありませんが(笑)(2003/9/6)


サイトのTopへ戻る