M.ラヴェル ボレロ

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1930年5月31日
カップリングブラームス 「大学祝典」序曲 他
「メンゲルベルクの芸術」の一部
発売東芝EMI
CD番号TOCE-8191〜99


このCDを聴いた感想です。


 メンゲルベルクはフランス音楽とあんまり縁がなさそうに思えますが(わたしだけ?)何曲かは録音しています。
 これはその少ない中の一枚です。
 ちなみにラヴェルでは、他に「ダフニスとクロエ」第2組曲のライブ録音(1938年10月6日)が残っています。

 しかし、この演奏、スタジオ録音にしてはあまり音が良くありません。
 SPから復刻しているらしいのですが、解説書にも書いてありますが、この曲に関しては、あまり良い状態のSPが残っておらず、特に曲の頭の部分は、雑音が最もひどい部分であるうえ、曲自体もピアニッシモで始まっているため、ほんとうに雑音の中から辛うじて楽音を聴きだすといった雰囲気になります。
 …途中からはかなり改善されるんですが、30年という録音年代を考えると、まあ仕方ないかな、という気がします。

 演奏は…やっぱりフランス的なものを期待してはいけませんね。
 管楽器がソロをとっていく前半部分はそれほどわからないのですが、弦楽器が主体に入ってくるあたりから、まるで軍隊が行進していくような、四角四面でキッチリした堂々とした演奏になります。
 音の一つ一つをハッキリクッキリ切って行き、とても踊れるような雰囲気ではありません。
 もちろん、おしゃれな感じなどどこにも見当たりません。

 前半に出てくる管楽器のソロも、確かに一人一人は上手(トロンボーンはだいぶ怪しげですが…)なのですが、今まで聴いてきたフランス式の自由奔放なソロに慣れてしまうと、キチンとやっている分だけ、面白みに欠けるような気がします。
 特に、後半部分が強烈なため、さらに印象が薄くなってしまいます。

 テンポに関しては、さすがにほとんど動かしていません。ソロに合わせて若干揺らす程度です。
 行進曲を指揮するときでさえ、場合によっては大きくテンポを動かすことがあるメンゲルベルクにしては珍しいほうかもしれません。

 いやはや、なんともミリタリーチックなボレロもあったものです。ここまでやるとかえって気持ち良いくらいです。
 でも、間違ってもフランス風なエスプリなんぞを聴こうと思ってはいけません。
 そこから100光年離れているところに、この演奏の良さがあるのですから(笑)(2000/5/12)


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