M.ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」

ストコフスキー版

指揮レオポルド・ストコフスキー
演奏ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
録音1966年頃
カップリングドビュッシー 沈める寺(ストコフスキー編)
発売キングレコード(LONDON)
CD番号K30Y 1546


このCDを聴いた感想です。


 以前、この「展覧会の絵」のアシュケナージ編について書きましたが、今度は、有名なストコフスキーが編曲した演奏です。
 アシュケナージ編がラヴェル編の補完という形を取っているため、ラヴェル編にかなり似ているのに対して、このストコフスキー編はラヴェル編とは大きくかけ離れています。
 ぱっと聴いて、既に曲の頭からして、ラヴェル編がトランペットで始まるのに対して、ストコフスキー編では弦楽合奏で始まりますし、曲の雰囲気もだいぶオドロオドロしい感じになっています。
 曲の構成としても、ラヴェル編(既にこの時点でオリジナル版からは一曲カットされている)と較べてさらに曲が削られており、オリジナルから「プロムナード」が2曲(第3番目と第5番目)と「チュイルリーの庭園」、「リモージュの市場」の計4曲減らされています。

 で、肝心の編曲ですが、ストコフスキーの性格を表していて、演出効果について良く考えられた派手なものとなっています。
 ラヴェル編がやはり派手といえ、フランス風の華やかな軽さを伴った派手さなのに対して、ストコフスキー編はいかにもロシアロシアという感じで、重厚でドロドロした、力技で持っていく派手さといった感じです。
 いわば、「展覧会の絵」のロシア的な部分を強調した編曲になっています。

 さらに、ストコフスキーの指揮自体もその傾向に拍車をかけています。
 自分の編曲が、どのように演奏すればもっとも特長を出せるかを知りぬいた上での演奏です。
 派手な部分はより派手に、テンポを揺らしてグロテスクさをより強調し、その上で、抑える部分を抑えることで、さらなる効果のアップを演出しています。

 一つ不思議に思ったのが、「ブィドロ」です。
 もともと重々しい曲調なのですが、ストコフスキーは他の演奏と較べて1.5倍くらい速いテンポで演奏しています。
 その結果、スピード感はあるのですが、かなり軽々とした印象を受けます。
 わたしは、おもしろい解釈でけっこう好きなのですが、ストコフスキーなら重々しさをより強調するかと思っていましたので、ちょっと意外でした。

 このCD、注意書きに「原盤に若干のノイズがありますが……」と表記があるように、この年代(60年代)のDECCAの録音にしてはあまり音が良くないようです。
 特にフォルテの部分での音のざらつきが気になりました。
 ストコフスキーだったら、こういうところは気にするほうだと思うんですけどね〜
 CD自体が古い(おそらく80年代後半)ので、復刻があまり良くないのかもしれませんが…
 あっ、でももちろん50年代ぐらいまでの録音とは、比べ物にならないくらい良いですよ(笑)(2000/8/11)


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