指揮 | エドゥアルト・ヴァン・ベイヌム |
独奏 | Vn:アルテュール・グリュミオー |
演奏 | アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 |
録音 | 1957年6月4日 |
カップリング | バッハ ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番 |
販売 | ポリグラム(PHILIPS) |
CD番号 | PHCP-9655(462 629-2) |
この演奏を聴いて、まず最初に目を見張らされるのがソリストであるグリュミオーの音色の美しさです。 ヴァイオリンの音としてはかなり線の細い方ではないかと思います。 しかし、その線の細さが故に、繊細で儚げに感じられ、逆に透き通るような透明感のある、どこか現実離れした美しさが感じられます。 また、メロディーの歌わせ方も、テンポの伸び縮みが大きく、かなりロマンティックな傾向が出ていますが、一世代前のフーベルマンやエルマン等とは異なり、ポルタメントのような色っぽさを感じさせるような濃厚な表情付けは行なっていません。 さらに、テンポの伸び縮みにしても強引さは無く、あくまでも自然な流れの中での変化であるため、無理なく耳に馴染んでくるような歌わせ方です。 一方、伴奏のオーケストラも独奏に対して引けを取っていません。 全体的に、ソリストのグリュミオーが歌い込んでいるのに較べて、あっさりした歌わせ方をして、ソリストを上手く引き立たせています。 その一方で、オーケストラが主役の部分では、パンチを利かせてメリハリをつける事で、オーケストラに存在感を出し、ソリストが伴奏から浮いてしまわないようにしています。 また、曲が曲だけに、響きが厚く非常に暖かい音色なのですが、決して暑苦しくはありません。 むしろ優しさや柔らかさを感じさせるような音色です。(2002/11/15) |