L.v.ベートーヴェン 交響曲第3番 変ホ長調<Eroica>

指揮デイヴィッド・ジンマン
演奏チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
録音1998年5月
カップリングベートーヴェン 交響曲第4番
販売BMGジャパン(ARTE NOVA)
CD番号BVCE-38001


このCDを聴いた感想です。


 噂の1000円のCD「ARTE NOVA」のシリーズの中の1点です。
 とは言いましても、わたしがこのCDを購入したのは、ただ単純に安かったからというわけでは無く(もちろん、安かったのも動機の一つですが(笑))、ベーレンライター版(いわゆるデル・マー版)による演奏だったからです。
 実は、わたしは、来年の2月(2001年2月)にエロイカを演奏をすることになり、その楽譜がベーレンライター版なのです。
 その時は、まだ楽譜を見ていなかったのですが、風の噂で、今までの楽譜とはかなり違うらしい、ということを知り、だったら、そのベーレンライター版による演奏を聞いてみるしかないだろうと思いました。
 そして、その頃ちょうど世間に出回っていたのが、「ベーレンライター版による世界発録音」との触れ込みがついた、この演奏だったのです。

 で、聴いてみた最初の印象は、「速い!」
 繰り返しを全部やって、なおかつ45分の演奏なんて初めて聞きました。
 まあ、これは今までわたしの聞いてきた演奏が、全て昔の遅い演奏だったというせいもあるんですが……
 実は、よくよく調べてみたら、それまでわたしはエロイカを11枚持っていたのですが、何かのカップリングで入っていたコンドラシン盤を除くと、10枚全てモノラルでした(涙)
 ……しかも、10枚中8枚がメンゲルベルク……メンゲルベルクの録音は3種類しかないというのにっっ!!(血涙)

 閑話休題
 でまあ、速さに驚きつつ聞いていると、音楽が軽やかに流れていくのに驚きます。
 「そうか〜 こんな演奏もあっただな〜」と目から鱗が落ちるようです。
 しかも、ただ軽いだけじゃなく、勢いがあり、何といってもキレの良さがありました。
 アクセント処理なども、今までの演奏とはかなり違っており、「へー、ベーレンライター版って細かいところで結構違ってるんだなー」とちょっと新鮮な気持ちで聴いていました………第1楽章までは!!
 第2楽章に入ってオーボエの主旋律を聞いた時……「何じゃ、こりゃー!?」と正直思いました。
 だって、まさかオーボエのソロに、いままで無かったような装飾音符がいっぱいつくなんて、思いもしないじゃないですか!
 初めて聞いたときは、耳を疑いましたね(笑)。
 ただ、演奏自体は、速いテンポが行進曲のイメージに近く、こういう解釈の仕方は今まで聴いたことが無かった分だけ、新鮮でおもしろく、好きになりました。まあ、葬送って雰囲気ではないんですけど、これは別にかまわないでしょう。
 さらに第3楽章。最後の方までいっておきながら、そこで繰り返しに戻るなんて、誰も予想できません……
 おまけに第4楽章。……第2変奏の弦楽合奏が、全て1挺だけのソロになるとは……しかも、この楽章も、オーボエの聴いたことのない装飾音が随所に出てきます。
 こ、これがベーレンライター版か……わたしは驚愕のあまり身体が震えました(笑)

 と、まあ、こういう風にジンマンの演奏で十分に予習をしておいて、練習に行きました。
 そして、楽譜(ちなみにわたしはオーボエです)をもらって……真っ先に探しましたよ第2楽章を(笑)
 結果は………「ちっ、無かったか……」(笑)
 もちろん、いくら大幅な改定とはいえ、装飾音符なんて入るはずはなく、単なるジンマンの趣味(?)という結果に終わってしまいました。
 でも、装飾音符を件を抜きにしても、演奏自体はとても活きがよく新鮮に感じました。
 まあ、装飾音符もおもしろかったから良かったんじゃないかと思います。
 とりあえず、このジンマン盤だけ聴いて、ベーレンライター版のことを勘違いした人が、全国に一千万人(一部ウソ)はいると思っています(笑)(2000/12/22)


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