L.v.ベートーヴェン 交響曲第2番 ニ長調

指揮エーリッヒ・クライバー
演奏ベルリン国立歌劇場管弦楽団
録音1929年
カップリングベートーヴェン 交響曲第6番<田園>
発売DUTTON(Decca)
CD番号CDBP 9716


このCDを聴いた感想です。


 重い割にスケールが大きくなく、録音が古く今一つということもあり、聴いていてもなかなか良さがわかりにくい演奏です。
 なによりクライバーらしい小気味良さがそれほど感じられないのが一番の難点で、一定のテンポを保ってテンポよく進んでいかず、どうも動きが悪く重いのです。
 音は短かめでキレ自体はそれほど悪くないのですが、テンポに足を引っ張られています。音楽は前に進もうとしているのに、周りからよってたかって引き止められているみたいなのです。
 さらに、ここぞという要所でアンサンブルが揃わないため、録音の古さも相まって、重さが安定感につながらず、スケールもあまり大きくありません。
 しかし、その一方でこれはすばらしいと思ったのがメロディーの歌わせ方です。
 特に第2楽章のゆったりとしたメロディーなどが大きく歌われています。
 大きく歌うといっても、いかにも力を入れて歌ってますよといったようなビブラートをたっぷりときかせた歌い方ではなく、さりげなくあっさりと歌っていながら、しみじみと感じ入らせる歌い方なのです。個人的には、この歌い方に注目してから、他の難点がほとんど気にならなくなりました。
 第3楽章なんかも、スケルツォの主部はかなりテンポが遅くスピード感に乏しいため少し欲求不満がたまるのですが、そのままテンポでゆったりとトリオのメロディーを歌うのを聞いて、これだったら遅いテンポなのも納得できるなと思ったくらいです。
 速いテンポの楽章は、テンポが乗り切れない分、どうしても抜けが悪いのですが、第4楽章の終盤辺りは、テンポも安定し、重くても鈍くならず、力強い音楽になっています。
 テンポやアンサンブルなどいろいろ気になる点が多く、聴いてすぐに唸らせられる演奏ではありませんが、じっくりと聴いていくうちに、少しずつ良さが見えてくる演奏ではないかと思います。(2005/4/23)


サイトのTopへ戻る