L.v.ベートーヴェン 交響曲第1番 ハ長調

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1940年4月14日
カップリングベートーヴェン 交響曲第3番 他
ベートーヴェン交響曲全集の一部
販売MUSIC&ARTS
CD番号CD-1005


このCDを聴いた感想です。


 音源的にはPHILIPS社から出ている1940年のベートーヴェンチクルスの全集と同じ物です。
 実は全集全体でみれば、第3番の<Eroica>だけ音源が違います。この全集では、1940年の4月から5月にかけて行なわれたチクルスの演奏が収録されていますが、PHILIPSの全集では、おそらくチクルスの際の<Eroica>の録音テープに大きな回転ムラがあるためだと思うのですが、同年の11月にTLEFUNKENに対して行われたスタジオ録音に差し替えられています。

 話を第1番の演奏の方に戻しますと、聴いたときに、意外と曲がテンポよく進んでいくことに驚かされます。
 初めて聞いた時には、例えば第1楽章の第2主題に入る前などの、大きくテンポを落として強調するところ(楽譜(1) 赤い矢印に沿って大きくテンポを落としている)が耳につくのですが、よく聴いてみると、それ以外では、案外インテンポを守っています。
 テンポ自体は中庸よりもちょっと速め……いや、ほとんど並といっても良いでしょう。テンポ設定自体に特徴はありません。
第2主題の楽譜です  しかし音楽は、活き活きとして躍動感に溢れています。
 ベートーヴェンということもあって、旋律自体は思いっきり歌わせたりはしていません。
 そのかわり、音を短めに切って、テンポとリズムをとても効果的に強調しています。また、それにアクセントを絡めることで良い緊張感を感じさせてくれます。

 同じベートーヴェンの交響曲の演奏でも、もう少し後の交響曲になると、もっと劇性を強調した演奏になるのですが、この演奏では、過度になりすぎない劇性と共に、曲の古典的なフォルムを保つのにもかなりの重点がおかれています。
 メンゲルベルクのハイドンの演奏というのは聞いた事がありませんが、おそらくこの演奏に近い感じになるのではないかと思います。

 Music&Arts社の復刻はPHILIPS社の復刻と較べ、ノイズは少なく、しかも音質は数段生々しくなっています。
 当然、Music&Arts社の方を聴くほうが、演奏に引き込まれる度合いが高いのですが、実は大きな欠点があります。
 今回の第1番には幸いなことになかったのですが、実は……PHILIPS社の録音にはなかった音飛びがあちこちに見られるのです。
 1曲の中に2〜3箇所と決して頻繁という訳ではないのですが、耳につきやすいため、たとえ流して聴いているときでさえ、非常に気になります。
 大変残念です。

 ここからは第1番の演奏とは全く関係のない話になります。
 実はこのCDは、つい一週間ほど前のある日手に入れたのですが、その日は驚くべき日でした。
 その日は、よく行く中古のCD屋さん(御茶ノ水にあるクラシック専門の某中古店です)に、たまたまフラッと寄ったのですが、いろいろ物色している内にだんだん手が震えてきました。
 なんとそこで、わたしが以前からずっと探し続けてきたメンゲルベルクのCDが続々と見つかったのです。
 このMusic&Arts社のベートーヴェン交響曲全集、Biddulph社のチャイコフスキー5番、ArchiveDocumentsの「さすらう若人の歌」と、な、なんと夢にまで見たベルリン放送響とのベートーヴェンの7番があったのです!
 どのCDも滅多に中古店に出回らない貴重なものばかりです。
 とくにベートーヴェンの第7番を見つけたときは、あまりのうれしさにクラッと倒れそうになりました(笑)。  さらにマルティノンの<悲愴>を見つけてしまったりと、おまけがありましたが、ダッシュでチェキッとゲットしました。ちょっと出費が大きかったですが……

で、ここまでで終わっても、それはそれで結構凄かったのですが、その後、さらに凄いことが待ち構えていました。

 思わぬ大漁にルンルン気分(笑)で帰る途中、あるディスカウントショップの前を通りかかりました。
 その店は、前を毎日のように通っていたのですが、小さなありきたりの店のような雰囲気だったので、今までは特に気にもとめなかったのですが、よく見ると中でCDが売られています。
 ついでのような気分で何の気なしに入ってみました。
 量的にもそんなに多いということはなく、高さは背丈ぐらいで幅も1mぐらいの展示棚が8つぐらいあるだけです。
 あまり期待もせず、つらつら眺めてみても、輸入盤は1枚もなく大手メーカーの国内盤ばかりです。
 まあ、そんなもんだよな〜 と思いつつ眺めているうちにハタと気づきました。
 よ〜くよく見てみると、その国内盤は80年代末から90年代前半にかけて販売されたものばかりなのです。
 つまり! 今ではとても手に入らないような廃盤や品切れのCDが眠っている宝の山だったのですっっ!! しかも未開封で(笑)
 そうであれば話は別です。さっきまでとは打って変わって、端から端まで舐めるようにみてまわります。そして……
 ついに見つけました! 「陶酔! メンゲルベルク 不滅のライブ」をっ!!
 このシリーズは90年前後に発売されたのですが、5年ぐらい前から既に中古店でさえほとんど見かけなくなっていました。
 わたしも全部で10枚の内、7枚まではなんとか揃えることができたのですが、残りの3枚はほとんど諦めていました。
 幻の3枚のうちの1枚に、まさかこんなところで巡り合おうとは!(ちなみに他の2枚はさすがにありませんでした(笑))
 ちなみに手に入れたのはバッハのカンタータと管弦楽組曲が収録されいるものです。特にカンタータは他では全くCD化されておらず、非常に貴重な音源です。
 ついでにいうと、未入手の2枚とは、「さすらう若人の歌」が入ったものと、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が入ったものです。この二つは一体いつ手に入ることでしょう。はぁ(溜息)
 と、このように、この日はわたしにとって、まさしく“奇跡の”一日でした。

 う〜む、あまりのうれしさに誰かに伝えたくてつい書いてしまいましたが、よく読みなおすと、肝心の曲の感想より長いでやんの(笑)(2000/10/13)

 説明用の楽譜を掲載しました(2001/12/7)


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