小山清茂 管弦楽のための木挽歌

指揮外山雄三
演奏読売日本交響楽団
録音1977年12月4日
カップリング伊福部昭 ピアノと管弦楽のためのリトミカ・オスティナータ
発売ビクターエンタテインメント
CD番号VICC-23010


このCDを聴いた感想です。


 この曲は民謡の「宮崎の木挽歌」を主題に、変奏曲風に展開している10分程度の曲です。

 日本の民謡を取り入れた10分程度の曲といえば、日本のオーケストラの海外公演の際に演奏されることが多い外山雄三の「管弦楽のためのラプソディ」が有名ですが、「管弦楽のためのラプソディ」が多くの民謡を採り入れているのに対して、この曲は、「宮崎の木挽歌」一曲だけで展開しています。

 この曲は、変奏曲に近い形式ですが、単に変奏しているだけではなく、山で生まれた民謡が、次第に人々の間に広まっていき、多く人に定着していく姿を描いています。
 大きく分けて、四つの部分があります。
 最初は民謡が生まれるところで、山の中で、木を切っているようす描写した音をバックに、原曲に近い形で静かに演奏されます。
 二つ目は、民謡が村に降りてきたところで、村祭りの様子を表しています。
 祭囃子を模したフルートやオーボエが、太鼓の音をバックに、粋に演奏します。間に掛け声のような合いの手が入ったりして、なかなか楽しい様子がよくわかります。
 三つ目は、民謡が町に入ってきたところです。
 繁華街のような派手な雰囲気は無いのですが、住宅街のような、足が地についていながらも、どこか洗練された感じになり、速めの5拍子のテンポで軽快に演奏されます。
 最後は、人々に定着した様子を表しています。
 人々の生活の糧となるかのようなエネルギッシュな姿で、曲を盛り上げます。
 そして、最後に「宮崎の木挽歌」のテーマが戻ってきて、バスクラリネットのソロで静かに曲が終わります。

 演奏は、民謡の扱いの上手さが光ります。
 もともと感覚に合っているメロディなので、歌いまわしが上手いのは当たり前といえば当たり前なのですが、決して泥臭くならず、それでいて妙にすました風な歌い方ではないのは嬉しいところです。
 特に村祭りの部分での素朴ながら華のある様子は、聴いていて楽しくなってきます。
 最後のエネルギッシュな部分は、ちょっと泥臭いのですが、これはこの部分の音楽が元々そういうつくりになっているので、ある程度は仕方ないでしょう。

 こういった、民謡が採り入れられた曲というのは、普段聞いている西洋の音楽とはまた違った楽しさがあります。(2001/3/2)


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