J.シベリウス 交響曲第1番 ホ短調

指揮アンソニー・コリンズ
演奏ロンドン交響楽団
録音1952年2月
カップリングシベリウス 交響曲第2番
発売キングレコード(DECCA)
CD番号250E 1188


このCDを聴いた感想です。


 シベリウスの交響曲の中で、第2番は持っているCDも多く、総譜を持っていることもあって、そこそこ馴染みがありました。このCDも第1番と第2番のセットですが、第1番は買った時に一回聴いたぐらいで、よく聴くのはもっぱら第2番ばかりです。さすがにどうかと思い、久しぶりに第1番の方を聴いてみたのですが、驚きました。
 まさか、これほど激しい演奏だったとは。
 第2番の演奏が、わりとスッキリとして渋めだったので、第1番もそうだと思い込んでいましたが、改めて聴き直してみると、かなり違いがあることがわかりました。
 テンポが速めでスピード感があるところは共通していますが、第1番にはここぞというところでの迫力があります。
 フォルテでは弦楽器は弓を一杯まで使い切ったようなキレのある太い音、さらに金管がギラギラするほどの輝かしい音色で隅々までベッタリ広がっていきます。
 それだけではありません。その一歩上を行くのがティンパニーを始めとした打楽器です。
 特に、ティンパニーは一つ一つの粒がハッキリ聞こえるどころではありません。まるで、オーケストラよりも手前に陣取ってティンパニー協奏曲でも演奏しているかのように、細かい音に至るまで硬くしっかりと叩いているのがよく聞こえてきます。フォルテでティンパニーが登場する部分では、太くキレのある弦の音やギラギラと輝く金管の音すら脇へ追いやり、完全に主役となっています。
 その一方で、激しく熱いフォルテの部分とは対照的に、各楽章の出だしなどのピアノの部分は、冷たく乾燥しています。
 テンポの速さからくるスピード感が、山から広大な土地に風が吹き降ろしてくるように、曲の温度を一気に低下させています。
 ただ、冷たくても寂しげなのとは少し異なり、情緒的な雰囲気はあまり感じません。むしろそういった人間的な姿が全く見えずに、ただ自然だけがあるような乾いた冷たい雰囲気です。
 この冷たい雰囲気と、フォルテの激しい部分とに大きな落差があり、しかも速いテンポにより、その変化が一気に起こるため、非常にメリハリがついた音楽になっています。(2007/3/17)


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