J.S.バッハ ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ハ短調

独奏オーボエ:ローター・コッホ
ヴァイオリン:エルネ・セバスチャン
チェンバロ:ペーター・シュヴァルツ
演奏ベルリン弦楽合奏団
録音1974年
カップリングマルチェロ オーボエ協奏曲ハ短調「ベニスの愛」
バロック・オーボエ作品集
販売新星堂(BMGビクター)
CD番号SRC-31


このCDを聴いた感想です。


 この演奏の聴き所は、なんといってもローター・コッホのオーボエです。

 ローター・コッホは、1957年から1980年代までベルリン・フィルの首席奏者を長年に渡って務めており、カラヤン時代を代表するオーボエ奏者です。
 1971年には、カラヤンの指揮(ベルリン・フィル)でモーツァルトのオーボエ協奏曲も録音しています。

 モーツァルトの時のコッホは、かなり鼻にかかったような一風変わった音色でしたが、このバッハにおいてはもっと抜けるような音色になっており、明るめながら清澄な雰囲気が漂っています。
 しかし、古楽器の演奏に多く見られるようなストイックで敬虔な演奏ではありません。
 むしろ、表情はほとんど過多と言って良いほど豊かな方でしょう。
 おそらくバロックの様式からは甚だしく逸脱していると思いますが、コッホの演奏は、そんなことを忘れさせてくれるぐらいメロディーを美しく歌い上げていきます。
 その歌い方は、生き生きとか溌剌というより、流麗という言葉がピッタリくるような歌わせ方で、レガートを中心とした横への流れが強調されています。
 考えてみれば、レガート中心で横の流れ重視というのは、カラヤンの特徴です。
 コッホがカラヤンの音楽に近いのは、首席奏者なんですから当たり前のことかもしれませんね。

 もう一人のソロであるヴァイオリンやバックのオーケストラも同じ方向性です。
 ソリストのセバスチャンも音色は幾分暗めなのですが、表情は豊かで、滑らかに歌っています。
 オーケストラは、ほとんどカラヤンが指揮してるんじゃないかと思えてくるぐらいレガートを中心とした横へ横へと流れていく演奏で、メロディーを歌い上げることを重視しています。
 そのため、キチンとした硬い雰囲気は無いのですが、緊張感は全く損なわれておらず、柔らかい雰囲気の中にピンと一本筋が通った清潔さがあります。(2001/6/29)


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