指揮 | カール・リヒター |
出演 | エヴァンゲリスト:エルンスト・ヘフリガー イエス :ヘルマン・プライ ソプラノ :イヴリン・リアー アルト :ヘルタ・テッパー ペテロ・ピラト :キート・エンゲン |
演奏 | ミュンヘン・バッハ管弦楽団 ミュンヘン・バッハ合唱団 |
録音 | 1964年2月 |
販売 | POLYDOR(ARCHIV) |
CD番号 | POCA-2011/2 |
この曲は聖書の一部である「ヨハネによる福音書」の一部を切り取って、オーケストラと合唱及び独唱による伴奏をつけた音楽です。 だいたいイエスが捕らえられてから処刑された後までの部分にあたります。 このへんは「マタイ受難曲」とほぼ一緒ですね。 この「ヨハネ受難曲」は「マタイ受難曲」較べると大規模な合唱が少なく、代わりにコラールが増えています。また、演奏時間も大体「マタイ」の7割程度(2時間ぐらい…かな?)です。 また、「マタイ」よりドラマチックさでは劣りますが、その分合唱の綺麗さでは勝っていると思います。それに、「マタイ」には出番が無い「リュート」なんていう楽器も登場しますし。 イエスの受難について知らない人が聴いても楽しめると思います。歌詞がドイツ語なので内容はわからないと思いますが… ただ、キリスト教についてある程度知識を持っていると、さらに楽しめます。 弟子のペテロは実はこんな人だったとか、総督のピラトが比較的善役で描かれているのは、その後のキリスト教の普及と関係があるとか、ちょっとした知識が登場人物を身近に感じさせてくれます。 演奏はカール・リヒターらしく峻厳なものです。 しかし、1950年代に録音した「マタイ」などと較べると若干柔らかくなっており、幾分か親しみやすいと思います。 わたしはこの曲の中では第13曲のソプラノアリアの<われもまた汝に従い行かん>が最も好きです。 これは、2本のフルートの伴奏の上でソプラノのアリアが歌われるのですが、2本のフルートのメロディが美しく、ソプラノも明るいハリがあり、かなり好みです。 ところが、このソプラノはライナーノートでは「クールさが場違い」とけなされています。 ライナーノートでそれ自身の演奏をけなすことは滅多にないことなんですがね〜 事実、他の演奏者は全員誉めてありますし…(泣) 後はやっぱりコラールと合唱の部分でしょうね。 特に合唱は、現代の古楽器での演奏と異なり、親しみやすさよりも迫力が前面に出ています。 宗教曲というと、どうしても敬遠される方が多いかと思いますが、こういった歌が入るものは結構楽しめると思います。 わたしはかえってブランデンブルク協奏曲や管弦楽組曲の方はあんまり好きではないくらいです。 まぁ、それもちょっと極端ですが…(1999/11/18) |