J.S.バッハ カンタータ「神の時こそいと良き時」

指揮カール・リヒター
出演アルト :ヘルタ・テッパー
テノール:エルンスト・ヘフリガー
バス  :テオ・アーダム
演奏ミュンヘン・バッハ管弦楽団
ミュンヘン・バッハ合唱団
録音1966〜78年
カップリングバッハ カンタータ「いざ来ませ、異邦人の救い主」他
カンタータ集の一部
販売ポリドール
CD番号POCA-2200/2


このCDを聴いた感想です。


 実のところわたしはバッハのカンタータについて全然詳しくありません。
 このCDも、もともとは「心と口と行いと生きざまは」BWV147(有名な「主よ人の望みの喜びよ」が入っているカンタータです)を聴くために買ったものです。
 もちろん、「心と口と行いと生きざまは」も良かったのですが、他のカンタータ(全部で8曲入っています)も意外と聴いていておもしろいことがわかりました。
 中でも、この「神の時こそいと良き時」は特に気に入りました。

 このカンタータは「追悼行事用」と注釈が入っているぐらいですから葬儀用の音楽なのですが、むやみと暗くはなく、むしろ深く落ち着いた雰囲気に包まれています。
 また、8つのカンタータの中で、この曲だけブロックフレーテ(早い話がリコーダーです)が入っているのですが、このブロックフレーテの素朴な音色が曲とマッチし、えもいわれぬ哀愁を漂わせています。
 わたしは、この曲でブロックフレーテの魅力が改めてよくわかりました。今度はぜひブリュッヘンの演奏するリコーダーのCDを買いたいな〜と思ってます。
 それはともかく、この演奏聴いていると、やっぱりヘルタ・テッパーっていいなーと思います。
 しみじみ聴かせてくれて、なおかつ格調の高さというか深みというものを感じさせてくれます。

 ところで、わたしがこのカンタータの中でもっとも好きなのは最後の合唱です。
 本当のことをいうと、この合唱があるから今回この曲を採り上げたといってもいいほどです。
 3分弱の短い曲ですが、大きく三つの部分に分かれていて、最初はリコーダーを中心としたゆったりとした序章の部分、次がフォルテで合唱が入って来るのですが、まだゆったりとしていて、合唱も和声を中心としたコラール風の部分、最後がフーガ風にポリフォニーで激しく盛り上げています。
 最初の序章の部分はリコーダーの音がゆったりとして哀愁に満ちたメロディーで演奏され、とても落ち着いた気分にしてくれます。
 その次に、急にフォルテでしかもテンポが遅く合唱が入ってきて、厳粛な気分になります。しかし、長調ですので、抑えつけられた印象は無く、厳粛とはいえ、萎縮した雰囲気ではありません。
 そして、流れるようにテンポの速いフーガ風の動きに移っていくことで、静から動への対比が生まれ、厳粛な中にも(アーメンコーラスですので)躍動するような軽やかさや楽しさがあふれてきます。
 最後には一つのところへ静かに収まり、本当に最後の最後にブロックフレーテが小さくトリルで締めくくります。
 この最後のトリルが、もう無茶苦茶かわいいのです。(結局、いちばん言いたいのはそこかっ! という気も(笑))(2000/7/14)


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