指揮 | ジョン・バルビローリ |
演奏 | ハレ管弦楽団 |
録音 | 1956年6月19〜23日 |
カップリング | J.シュトラウス 皇帝円舞曲 他 |
発売 | DUTTON |
CD番号 | CDSJB 1010 |
ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの最後を飾る有名な曲です。 これがどんな編曲をされるのか、ということなんですが、正直なところ、「変わってるといえば変わってるけど、変わってないといえば変わってないなぁ」というのが感想です。 まあ、大方の予想通り、全体的に派手になっています。 ハープが入ったり、メロディーラインを金管がなぞったりと、強化されています。 たぶんその他の編成も大きくなっているのではないでしょうか。この曲は、スコアを持っていないので、正確なところはわかりませんが…(汗) で、雰囲気が大きく変わったかというと、実はそれほど大きく様変わりしたという印象は受けません。 行進曲なので、元が派手というせいもあり、ちょっとぐらい派手にしても、そんなに差が出てきにくいのです。 さらに、メロディーを担当する楽器も、追加されただけで、メロディーから伴奏に変更になった楽器は無いのではないでしょうか。 そのため、木管だけで演奏するようなピアノの部分はほとんど原曲と同じように聞こえます。 ただ、部分的には「おおっ! こんなことをやらせてるんだっ!」というところもあります。 追加されたハープなんかはそうですし、目立つところでは、トリオの部分でトランペットが演奏する合いの手があります。 トリオに入ると、最初はピアノでメロディーが演奏され、続いて同じメロディーをフォルテで繰り返す部分がありますが、この部分の中ほどにトランペットで分散和音のような合いの手が一回入るのです(本来はこれ自体も原曲には無かったはずです。少なくともわたしが見てきた譜面では…)。 この編曲でも入ります………ただし! フォルテで繰り返す部分で、原曲で合いの手が入ってた所『以外』全てに! 「なんじゃこりゃ」の世界です(笑) ぜひ、この楽譜で一度演奏してみたいものです。 ところで、バルビローリはかなり速めにテンポをとっています。 具体的にいくつぐらいというのはちょっとわかりませんが、行進するのにはつらいぐらいのテンポです。 しかし、この「ラデッキー行進曲」という曲は、本来はマーチの中でも極端に遅いほうの部類に入ったはず…… マーチのテンポというのは、大体一拍が120ぐらいのテンポなのですが、「ラデッキー行進曲」は、確か110ぐらいでした。このテンポは、感覚的には、かなり遅めに感じます。 まあ、コンサートで演奏するわけですから、あんまりこだわる必要もないのですが、ちょーっとイメージと違ったので不満です(笑) ちなみに、極端に速いテンポの典型としてよく上げられるのが、ビゼーの歌劇「カルメン」の中の行進曲だそうです。そういわれてみれば、そうかも……(2000/11/24) |