J.レントゲン 弦楽四重奏曲

演奏ラファエル弦楽四重奏団
録音1994年10月18〜21日
カップリングボイス ロマン的セレナード 他
「オランダ古典音楽名曲選9 オランダ弦楽四重奏曲集」より
発売新世界レコード(OLYMPIA)
CD番号OCD-508


このCDを聴いた感想です。


 クラシック音楽には交響曲や歌劇などいろいろなジャンルがあります。そのいずれの分野も均等に聴いているという方もいらっしゃると思いますが、わたしはかなり偏っています。よく聴くのは、交響曲から協奏曲などの大規模な管弦楽曲、それにわずかな歌劇や声楽曲を加えたぐらい、逆に全く弱いのが、器楽曲と室内楽曲で、特に今回取り上げる弦楽四重奏のような編成は、自分が管楽器奏者ということもあってほとんど手を出したことがありませんでした。
 でも、さすがにそれはバランスが悪すぎだろうと反省して、そろそろ新たなる一歩を踏み出してみようかなどうしようかな、と考えていたある日、たまたま立ち寄った、ロシアと韓国のCDを揃えていることで知られる老舗の某レコード屋でこのCDを見かけたのです。わたしはメンゲルベルクが好きで、そのメンゲルベルクは自国のオランダの作曲家の作品もいろいろ録音を残しているのですが、ベートーヴェン辺りの有名作曲家と違って、それらの曲の他の指揮者による演奏はほとんど見かけた事がありません。せいぜいオランダ人の他の演奏家がたまたま録音を残しているぐらいです。
 そんなオランダ人作曲家の作品で、あまり縁の無い弦楽四重奏曲集なのもちょうど良かったので、フラッと買って聴いてみたのです。
 そんなわけで、他の有名作曲家の代表的な弦楽四重奏曲などほとんど聴いたことが無いので、どのあたりが標準かわかりませんが、少なくともこの演奏は面白く聴くことができました。
 メロディー主導でそれに伴奏がつくという、明快でわかりやすい構造ということもあり、感覚的で聴きやすい曲です。
 特にメロディーの一つは、全4楽章の中で、第3楽章を除く他の3つの楽章に共通して登場します。
 このメロディーが優しくノスタルジックで印象に残りました。
 おそらく、このメロディーが無かったら曲自体印象に残らなかったでしょうし、逆にこのメロディーがあるために、曲全体を通して優しい印象を受けました。
 使われ方も、第1楽章では冒頭からは登場せず、おそらく第2主題として途中から登場するのですが、なんだかいきなり展開されているような動きで、むしろ第2楽章で冒頭から登場する時の方がオリジナルのように聞こえます。
 わりと速いテンポの3拍子で少し舞曲風にリズミックなのですが、穏やかで優しく、明るくても夏の太陽のようなくっきりとした明るさではなく、春の午後のような柔らかな明るさです。どこか懐かしい雰囲気ですが、哀愁や寂しさといった暗さは無く、心配事が何も無く心からリラックスしている心地良さを感じます。
 他の楽章もほぼその雰囲気の延長です。第1楽章や第4楽章などは、いきなり短調で激しく始まりますが、ドヴォルジャークの管楽セレナードの第4楽章みたいなもので表向きは短調でもベースには明るさがあり、さらに優しさと穏やかさが包み込んでいきます。
 全体が優しい響きという大きな雰囲気で統一しているところは、大規模な弦楽合奏曲を四人で演奏したみたいで、よく噂に聞く弦楽四重奏曲特有の厳しさや緊張感はあまり感じなかったのですが、わたしのような初心者にとっては、これぐらいわかりやすく雰囲気がある方がとっつきやすいので、ちょうど良かったかもしれません。(2007/3/5)


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