J.レントゲン 六つの古いオランダの舞曲 〜第5・6番〜

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1940年11月11・13日
発売及び
CD番号
AUDIOPHILE(APL 101.541)
TELDEC(243 723-2)


このCDを聴いた感想です。


 J.レントゲンの「六つの古いオランダの舞曲」と言われても、ほとんどの方はどんな曲かご存知無いかと思います。
 そこで、まず、簡単に曲の解説をしておきます。

 この曲は、実はレントゲン本人の作曲ではなく、ルネサンス時代のアントワープの作曲家ティルマン・スザート(1500頃〜1561/4)が編纂した『舞曲集』の全57曲の中から、レントゲンが6曲を選んで、管弦楽用に編曲したものなのです。
 ちなみに、同じ『舞曲集』から、金管アンサンブルの大御所であるフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル(以下P.J.B.E.)の一員であるジョン・アイヴソンも、6曲抜粋して金管アンサンブル用に編曲しています。
 ただ、アイヴソンが選んだ6曲は、レントゲンが選んだ6曲とは全く異なります。
 ついでに、こちらはP.J.B.E.の演奏も残っていて、レントゲン編曲のメンゲルベルクの演奏よりもよっぽど有名かもしれません。
 さて、話を元に戻しまして、レントゲンがスザートの舞曲集から選んだのは以下の6曲です。

 1.サルタレッロ(Saltarelle)
 2.ブルゴーニュ風ブランル(Branle de Bourgogne)
 3.ロンド(Ronde)
 4.ガイヤルド・ラ・ブルーン(Gaillarde la Brune)
 5.羊飼い(?)(Bergerette:Les grandes douleurs)
 6.パヴァーヌ(Pavane:Lesquercards)

 メンゲルベルクは、この「六つの古いオランダの舞曲」をライブとスタジオで一回づつ計2回録音しています。
 しかも、スタジオ録音はライブ演奏の次の日に行なわれており、完全に同時期の録音です。
 といっても、今回取り上げたTelefunkenのスタジオ録音の方は、6曲全部の録音ではなく、5曲目と6曲目の2曲だけの録音です。

 第5曲の「羊飼い」はAndante espressivoの指定が表しているとおり、ゆったりとしたメロディックな曲です。
 チェロとオーボエが交代にメロディーを奏でていき、それを弦楽合奏や木管のアンサンブルが静かにハーモニーで支えています。
 ヴィヴァルディの四季の冬の第2楽章を髣髴させるかのような、心が落ち着く安らかな曲です。まあ、「冬」よりは若干暗めではありますが。

 第6曲の「パヴァーヌ」は第5曲とは打って変わって活発な雰囲気があります。
 パヴァーヌというと、わたしなんかは、なんとなくゆったりとした優美なイメージがありますが、この曲はそういった雰囲気ではありません。
 ただ、この曲は速−緩−速という三部構成になっていまして、中間の緩やかな部分はパヴァーヌというイメージ通りの優雅な雰囲気があります。
 一方、速い部分はドヴォルジャークのスラヴ舞曲の第1曲目のような華やかさがあります。(さすがにそこまで派手ではありませんが…)
 金管やティンパニーまで加わってフィナーレに相応しい盛り上がりを見せます。
 メンゲルベルクも、キレ良く演奏していて、必要以上に重くなったりすることもありません。(2002/3/1)


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