J.ブラームス 交響曲第4番 ホ短調

指揮オイゲン・ヨッフム
演奏ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音1976年6月29・30日、7月1〜5日、10月8・9日
カップリングブラームス 交響曲第1番 他
ブラームス交響曲全集の一部
発売東芝EMI
CD番号TOCE-6927〜30


このCDを聴いた感想です。


 色彩的には決して豊かとはいえない演奏です。
 イギリスのオーケストラですが、低音を重視した重心を低くとったバランスのドイツ風の統一感のあるどっしりとしたサウンドなのですが、その反面、華やかさには乏しくなっています。

 しかし、色彩感に乏しいということは、裏を返すと音色が統一されているということなのです。
 音楽に一体感があり、全体がまとまってこちらに迫ってくるようで、迫力のある演奏です。

 特にメロディーの歌い込みようは素晴らしく、メローディの一つ一つに至るまで、かなり丹念に歌いこんでいるにもかかわらず、スピード感があるため、もたれることがありません。
 また、音にキレがあるためリズムも結構鋭いのですが、冷たくは聴こえません。いや、むしろ熱く聴こえます。
 これに加えて、ヨッフムはまるでフルトヴェングラーのようにテンポを速めて行くことで、音楽をクライマックスに向けて劇的に盛り上げていくのです。
 いやもう、聴いている方は興奮することしきりです。

 このテンポについて、ヨッフムは結構頻繁に少しづつ動かしています。
 ただ、昔はもっと極端に動かす指揮者もいましたので、そういう人たちに較べると、ヨッフムなんかまだインテンポの方と言えるでしょう。
 しかしヨッフムは、テンポを動かす幅は狭くても、その動きはとても自然で、まさに『呼吸するが如く』といった感じで、さりげなく効果を出しています。

 ヨッフムは、ブラームスではブルックナーと違ってかなり動きのあるアプローチをしていますが(ブルックナーでもスケルツォなんかではテンポを速めたりするというツッコミはおいといて)、低音がしっかりしているため、安定感と躍動するメロディーラインの両方を兼ね備えた演奏として、ブラームスの魅力をしっかりと引き出しています。(2001/11/23)


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