指揮 | ウィルヘルム・フルトヴェングラー |
演奏 | ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 |
録音 | 1952年1月27日 |
カップリング | ブラームス「交響曲全集」一部 |
発売 | 東芝EMI |
CD番号 | CC30-3357〜60 |
わたしはフルトヴェングラーの指揮したこの曲の演奏が大好きで、フルトヴェングラーの演奏は4種類持っています。(50年のコンセルトヘボウ、51年の北西ドイツ放送響、52年のベルリンフィルと当録音) この四種類とも甲乙つけがたいものがあるのですが、このウィーン・フィルとの演奏は四種類の中でも、もっとも推進力の強い演奏だと思います。 もちろんフルトヴェングラーの演奏なので、快速に飛ばすという訳ではありませんが、遅めのテンポの中にも、弛みなく前に進んでいこうとする力が常に感じられます。 この力は、鋭く突き刺すような力ではなく、もっと重くて強い、じわじわ迫ってくるかのような迫力のある力です。 この迫力が、第4楽章では曲調と相まって、恐ろしいほどの高揚感をもたらしてくれるのです。 特に、第4楽章の最後のコラールに入る前は、高揚感がクライマックスに達するところで、ここのPiu Allegroに入ってからコラールに入るまでの部分は、これ以上はないというくらい熱い気持ちにさせてくれます。 一音一音に力が入っているのが、まるで手にとるように聞こえて来ます。 わたしが、この演奏を好きなもう一つの点は、第2楽章のオーボエのソロです。 このオーボエの音色が、もう絶品で表情豊かにして品格を損ねていないのです。 このソロを聴く度に、わたしがもしこのソロをやることがあるなら、こういう音色で吹けたらなーと思います。 ただ、わたしはドイツ系の音ではなくフランス系の音を目指していたので、この系統に近い音色で吹くことは無いでしょうけど(笑) アンサンブルはライブということもあって、一部、思いっきりずれている所もあったりしますが、基本的にオケが上手いので、和音やピッチのずれはありません。ずれている所も指揮者のキチッとした合図が必要なところですので、まあ、ある程度はしかないかなってところです。 録音ですが、50年代初頭のライブ録音にしてはなかなか良いのではないでしょうか。 細かい部分もかなりはっきり聞こえます。 さらに、これは復刻の関係もあるかもしれませんが、残響はかなり多めです。 わたしは音に拡がりが出るので、とても嬉しいのですが、気になる方もいらっしゃるかもしれません。(2000/11/17) |