J.B.チャンス 朝鮮民謡の主題による変奏曲

指揮佐渡裕
演奏シエナ・ウインド・オーケストラ
録音1999年7月19〜21日
カップリングバーンスタイン 「キャンディード」序曲 他
佐渡裕&シエナ・ウインド・オーケストラ「ブラスの祭典」の一部
発売ワーナーミュージック・ジャパン(ERATO)
CD番号WPCS10310


このCDを聴いた感想です。


 久し振りに吹奏楽から一曲。

 この「朝鮮民謡の主題による変奏曲」は、チャンスの代表作ではあるのですが、録音される機会が少なく、いや、そもそも吹奏楽自体、管弦楽と較べると録音される機会が少ないため、CDはほとんどありません。
 わたしが、この曲の存在を知ってから長い間、以前感想を書いたフェネルと東京佼成ウィンド・アンサンブルのCDしかなかっため、このシエナ・ウインド・オーケストラの演奏を発見したときは、それはもう嬉しかったものです。

 内容も期待を裏切らないものでした。
 なによりもまず驚いたのは、アンサンブル能力の高さです。
 この曲は確かにテクニック的にはそう難しい方の曲ではありませんが、それでもピッタリ合わせるのはなかなか難しいものです。
 しかし、この演奏は細部まできちんと整えられており、ハーモニーも綺麗です。
 また、メロディーの歌わせ方もの情感に溢れています。
 この曲の冒頭では、主題である『アリラン』がゆっくりと演奏されるのですが、徒に歌い込み過ぎて品を失うようなことは無く、むしろ節度を持った歌わせ方をすることで却ってメロディーの美しさが素直に伝わって来ます。
 逆に、中間部のゆったりとした変奏部は、主題の時よりも感情をつけて大きく歌わせているのですが、このメロディーにはこういう感情をつけた歌い方がよく合っています。
 一方、テンポの速い激しい部分は、もちろん金管・打楽器がメインになるのですが、必ず木管の響きが残っています。このため、激しい部分でもうるさくならず、シンフォニックな暖かさがあります。
 これが最大限に生かされるのが、最後の二重フーガの部分です。
 速い3拍子の音楽の中から、1小節を1拍とした大きな3拍子になってアリランの主題が戻ってくるのですが、この響きの分厚さには圧倒されました。
 しかも、非常に堂々としていながら、威圧的ではなく暖かいのです。
 わたしは、こういう演奏が大好きです。(2001/1/11)


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