G.v.アイネム カプリッチョ

指揮ユージン・オーマンディ
演奏バイエルン放送交響楽団
録音1959年6月5日
カップリングヒンデミット 交響曲「画家マティス」 他
発売日本フォノグラム(ORFEO)
CD番号OCD-2043(C199 891A)


このCDを聴いた感想です。


 アイネムという作曲家は、わたし自身もこのCDで初めて知ったのですが、1918年生まれで没年がまだ10年も前ではない1996年ですから、完全に現代の作曲家ということになります。
 この曲は作品番号が『2』と若いことからも想像つくように、25歳の頃に完成されたアイネムの出世作らしいのですが、いわゆる現代音楽的なとっつきにくさはあまりなく、演奏時間も10分以内なので割と聴きやすい曲です。
 冒頭がいきなり不協和音で始まっていたりと、和音は不協和音が多く使われていて、不安感を煽るような荒々しい響きで落ち着いた雰囲気はあまりありませんが、それに較べてメロディーは調性が感じられるいかにもメロディーらしいメロディーです。
 そのメロディーも激しいものからゆったりとしたもの、さらにはユーモアを感じさせるようなものまでバラエティに富んでいて、なかなか楽しめます。
 しかし、この曲でメロディーや和音以上に印象に残ったのがリズムです。
 もともと激しいリズムが特徴の曲なのですが、さらに後半からはボレロみたいに同じようなリズムが何度も登場し、そのリズムがまたボレロになんとなく似ています。
 とはいえ、ボレロみたいに常に演奏されているわけではなくポイントだけですし、表拍よりも裏拍が多く、はるかに攻撃的なリズムです。
 ポイントだけとはいえ、何度も出てくることで印象付けられますし、最後はメロディー以上にそのリズムがこれでもかこれでもかとばかりに強調されて曲が終わるため、曲が終わった時には頭の中がそのリズム一色になってしまいました。
 このリズムは、裏拍を強調した刺激的なものですが、それほど複雑ではなくむしろ単純な方なので、いかにも盛り上げるのを狙ったようなあざとさがあり、そこを嫌われる方も多いのではないかと思いますが、わたしは結構好きだったりします。
 全体的に見て、メロディーの雰囲気やリズムが強調されている点など、吹奏楽に編曲しても意外といけるのではないでしょうか。吹奏楽を聴くのがお好きな方にお薦めしたい曲ですね。

 演奏しているのは、指揮がオーマンディでオーケストラがバイエルン放送響というちょっと珍しい組み合わせです。
 その時のバイエルン放送響は、設立されてからちょうど10年経ったところですが、アンサンブルはしっかりとしていて、既に高い実力を備えているようです。
 オーマンディの指揮は、テンポ変化などで特に変わったことをやってませんが(いや、他の演奏を聴いたことが無いので本当はどうかわかりませんが)、音色の方は、かなり輝かしく華やかな響きになっているように聞こえます。
 さらに驚いたのが録音です。
 1959年とはいえライブ録音なのでまだモノラルですが、音源が左右に分かれていないため辛うじてモノラルとわかるぐらいで、響きの広がりはステレオ録音並ですし、細部まで鮮明に聞こえるわ雑音は少ないわでとても1950年代のライブ録音とは思えないぐらいです。(2004/7/10)


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