G.ホルスト 吹奏楽のための第1組曲 変ホ長調

指揮フレデリック・J・ハリス
演奏グレナディア・ガーズ軍楽隊
録音1956年11月
カップリングロセ 「ヴェニスの商人」 他
「黄金時代の英国近衛兵軍楽隊 第4集」より
発売ポリドール(DECCA)
CD番号POCL-3511(444 097-2)


このCDを聴いた感想です。


 東京佼成ウィンドオーケストラやイーストマン・ウインド・アンサンブルに代表されるようなステージ上の活動がメインのウィンドアンサンブルというよりも、いかにも『軍楽隊』という印象を受けました。
 その違いは、響きです。
 楽器同士の音が溶け合った丸い響きではなく、それぞれ楽器が個性を主張した尖った硬い響きです。
 例えば二種類の楽器が吹いていても、音色は混ざった中間色にならず、くっきりと境目をつけて完全に塗り分けられています。
 まるで遠くから聞いても音楽の輪郭がはっきりとわかるように吹いているみたいで、いかにも野外で演奏することも多い軍楽隊っぽく感じました。
 ただ、それぞれの楽器の音色は、基本的には硬めながら、ピアノ部分などでは意外と柔らかくしっとりとしています。
 この音色面で特に印象に残ったのがサックスです。
 サックスだけは全く硬くなく、シンフォニックな曲調に良く合った太くて柔らかい音です。しかも、柔らかいからといって周りの硬い音に埋没したりはせず、むしろ他の楽器を響きで支えていながら、そこはかとなく存在感を示しています。
 例えば、第3楽章「マーチ」には、代表作「惑星」の木星の中間部に雰囲気が似た、ホルンの雄大なメロディーが登場しますが、この演奏では、ホルンやユーフォニウムなどの金管楽器が確かに中心にはあるものの、サックスはその金管を背後から包み込むように大きく広がっていて、お飾りの後ろの黒幕のように一回り大きな存在感を放っています。
 一方打楽器は、スネア(小太鼓)やタンバリンは強く音が立っていてわたし好みでしたが、一つ不満だったのが、バスドラム(大太鼓)です。
 後ろの方に引っ込んでいるのかバランス的に妙に弱く、第3楽章の最初の方に登場する、全合奏が一瞬消えた時に単独で入ってくる強い一発などが、ほとんど聞こえないぐらい弱く、肩透かしを喰らったみたいに拍子抜けしてしまうのが何とも残念でした。

 今までわたしが聴いてきた東京佼成ウィンド等の演奏が、重厚なまとまった響きで第一組曲の固いシンフォニックな面を前面に出していたの対して、このグレナディア・ガーズ軍楽隊の演奏は、もっと開放的で、ゆったりとしたメロディーよりも細かい動きを強調され、躍動的で明るい面が表れていました。(2004/8/7)


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