指揮 | グィド・カンテルリ |
演奏 | NBC交響楽団 |
録音 | 1953年12月27日 |
カップリング | ヘンデル オラトリオ「メサイア」より序曲 他 |
発売 | AS disc |
CD番号 | AS 618 |
この曲は、歌劇の中のアリアですので本来は歌に伴奏がついた形になっています。 ちょっと昔になりますが、サントリー(だったかな?)のCMで、キャスリーン・バトルが歌って一躍有名になりました。 この演奏はフルの管弦楽バージョンなんですが、この種のものはラインハルトの編曲がよく知られています。(ジョージ・セルがロンドン交響楽団を指揮したCD(たしかDecca)が入手できます) ラインハルトの編曲もかなり大掛かりなものですが、この演奏はさらに大規模になっています。 推定ですが、通常の2管編成で、金管もトランペット、トロンボーン、恐らくはチューバまで全て入っています。 さすがにパーカッションはティンパニーだけのようですが… 演奏は、例えば、セルの演奏に較べるとかなり遅めのテンポで、しかも粘ります。 途中まるまる1フレーズはヴァイオリンの独奏になっていますが、こちらも表情付けが濃厚です。 後半はだんだん楽器の数が増えて行き、最後は全合奏で締めくくられます。 リーフレットによれば、カンテルリはアンコールの際にこの曲をよく演奏していたそうで、彼が死んだとき(飛行機事故で36歳で亡くなっています)、追悼演奏会で、ミラノ・スカラ座管弦楽団がこの曲を演奏したとのことです。 実は、このCDには「ラルゴ」の演奏が2種類入っています。 もう一種類も同じくカンテルリの指揮ですが、オーケストラはNBC響ではなく、ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団です。編曲もどうやら同じのようです。録音時期はニューヨーク・フィルの方が3年後ですが、NBC響の方が、各楽器がはっきり聞こえます。 どっちも、おそらく実況放送を録音したものなので、あんまり録音がいいとは言えないんですが… ただ、この曲は5〜6分程度の曲なんですが、NBCの方がニューヨーク・フィルと較べて1分も遅くなっています。 そのことからもこの演奏が、いかに粘って演奏しているかが想像できますよね。 ところで、カンテルリは、本来は鋭敏なリズムと美しいカンタービレを持ち味にしています。 どちらかというと、スッキリした演奏が多く、こんなに粘った演奏は珍しいと思います。(1999/11/26) |