G.ビゼー 「アルルの女」第一組曲より「アダージェット」

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1929年6月
発売及び
CD番号
Pearl(GEMM CDS 9070)
東芝EMI(TOCE-8191〜99)


このCDを聴いた感想です。


 メンゲルベルクは、ビゼーの曲の録音をほとんど残していません。
 おそらく、この「アルルの女」一曲だけだと思います。しかも「アダージェット」のみというところが、SP全盛期で、小曲の録音が流行った時代だということを伺わせます(笑)

 さて、演奏のほうですが、基本的なノリは、マーラーの「アダージェット」と同じです。
 遅いテンポのゆったりとした曲を聴かせるのは、メンゲルベルクの得意とするところで、じっくりしみじみ聴かせてくれます。
 ではメロディーをかなり歌わせているのか…というと、わたしは決してそうは思いません。
 もちろん、下手というわけではありませんし、よく歌わせています。
 しかし、古い年代の録音なので、聴き取りづらいというせいもあるのですが、よりビブラートを効かせて、感情に直接訴えかけるように歌った演奏が、もっとあると思います。
 この演奏におけるメンゲルベルクの聞かせ方は、微妙なテンポの設定とダイナミクスにあります。
 小節ごとにテンポを少しだけ調節し、さらに小節の中でもほんのちょっとづつテンポを揺らすことで、ゆったりとした余韻が生まれてきます。
 それにダイナミクスの変化を加えることで、音楽に深みが生まれ、表情は豊かなのに濃すぎないといった風通しの良さを感じることができます。
 おそらく、これでもっと歌わせると、暑苦しい演奏になってしまうでしょう(笑)
 欲を言うと、これで細かい音符をもっとスッキリ演奏してくれたらなー、と思います。
 細かい音符を聴かせようとしているのはわかるのですが、ちょっと強調しすぎて、そこだけ妙に濃くなっています(笑)

 ところで、この曲、曲名は「アダージェット」なのにテンポ指示は『アダージョ』なんですよね。
 元の戯曲との関係でしょうか? 何ででしょうね?(2000/11/24)


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