G.ビゼー 歌劇「カルメン」

指揮アレクサンドル・メリク=パシャエフ
出演カルメン:イリーナ・アルヒポーヴァ
ホセ:マリオ・デル・モナコ
演奏ボリショイ歌劇場管弦楽団
録音1959年6月13日
発売REVELATION
CD番号RV20001


このCDを聴いた感想です。


 このカルメンはほとんどの歌手がロシア語で歌っている(ホセ役のデル・モナコだけイタリア語)というおもしろさもありますが、この演奏の一番の聴き所はなんといってもデル・モナコです。
 デル・モナコが出演したカルメンというと、ステレオ録音でもあるトマス・シッパースのスイス・ロマンド管の方がおそらく有名だと思いますが、このロシア公演のデル・モナコはぶっとんでます。感情がむちゃくちゃ入っています。
 また、古い時代の特徴だと思いますが、それぞれの歌手はアリアを歌うときに、タメをかなり大きくとっています。
 例えば、第二幕でホセが「アルカラの竜騎兵」を歌いながら遠くから舞台に登場してくるシーンでは、ホセは遠くで歌い出して、最後の「アルカラ」の「ア」の部分をずーっとのばしながら(この演奏では「ドラゴン」の部分が下降系のメロディではなく「ア」の音に向かって上昇していきます)ステージに登場してきます。その間9秒も伸ばしっぱなしです。
 観客のほうも、アリアが終わると必ず拍手が入り、次のフレーズが始まってもまだ拍手し続けています。
 ちょっと変わった特徴としては、四幕の闘牛場前の物売りの曲と闘牛士たちが入場してくる曲との間にバレエが入っています。それ自体は他にもライナーがそういう録音をしていますので、昔は一般的なスタイルだったのだと思います。曲は「美しいパースの娘」から「ジプシーの踊り」、「アルルの女」から「ファランドール」(ライナーはこの2曲だけです)、同じく「アルルの女」から「パストラール」の3曲です。「アルルの女」は当然南仏をイメージした曲ですが、あまりにも悠然とした演奏で、なんだかシベリアの大平原をイメージしてしまいます。
 ともかく、ロシア語というのは結構笑えます。最後のほうで、カルメンが「ノンッ!」と叫ぶ場面がありますが、それが「ニエットッ!」になってるんですから。(1999/10/15)


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