F.シューベルト 交響曲第8番ロ短調<未完成>

指揮ピエール・モントゥー
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1963年11月
カップリングチャイコフスキー 交響曲第6番<悲愴> 他
「コンセルトヘボウの名指揮者たち」の一部
販売日本フォノグラム(PHILIPS)
CD番号PHCP-1264


このCDを聴いた感想です。


 この第8番<未完成>、本来は第7番らしいのですが……

 それはともかく

 実は、わたしこの<未完成>という曲、好きではありませんでした。
 同じシューベルトの交響曲でも<ザ・グレート>は、スピード感やメロディーが好みに合い、わたしのもっとも好きな曲の一つだったのですが、<未完成>の方は、第一楽章のアンニュイな雰囲気と第2楽章の牧歌的な雰囲気が両方とも好きになれませんでした。
 カルロス・クライバーが指揮した有名な盤などいろいろな演奏を聴いてみたのですが(といってもたかがしれてますが……)、どうも聴いていて退屈になってくるのです。

 そんなときに聴いたのがこのモントゥーの演奏です。
 そもそもこのCDも<未完成>のために買ったのではなく、カップリングのベイヌムのベートーヴェン交響曲第2番とケンペンのチャイコフスキー交響曲第6番に惹かれて買ったものなのですが、思いがけなく当たりでした。

 演奏自体は派手ではなく、どちらかというと大人しめなのですが、音符一つ一つがとても丁寧に優しく演奏されています。
 いままで退屈としか思えなかったメロディーが、こんなに魅力的だったということにその時初めて気が付いたのです。
 もう一つ好きになれた要素として、フレーズの大きさがあります。
 この演奏は、フレーズをかなり大きめに取っていて、その中ではダイナミクスに幅を持たせ、よく歌わせています。
 そのため、全体としては大人しいにもかかわらず、微妙な表情の変化が読み取れて、聴き手を楽しませてくれるのです。

 この演奏で、<未完成>の魅力が部分的にはわかったのですが、まだ完全には好きになっていません。
 今はまだ、モントゥーと他一部の盤だけが楽しめ、他の大部分の演奏は依然として退屈なままなのです。これらもそのうち楽しめるようになるのかもしれませんが……

 ところで、この演奏とフランクの交響曲を聴いて、モントゥーはかなり好きな指揮者になりました。
 次は彼の得意とするフランス物、特に幻想交響曲を聴いてみたいなって思っています。(2000/8/11)