F.シューベルト 交響曲第4番 ハ短調 <悲劇的>

指揮ジョン・バルビローリ
演奏ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団
録音1939年1月21日
カップリングP.I.チャイコフスキー フランチェスカ・ダ・リミニ 他
「John BARBIROLLI conducts The New York Philharmonic」の一部
発売DUTTON(Victor)
CD番号CDEA 5000


このCDを聴いた感想です。


 なんともパワフルな演奏です。
 ニューヨーク・フィル響のパワーを生かして、音を正面から叩きつけ、そのまま真っ直ぐ押し切ってきます。
 他の指揮者の演奏が、ロマン派初期ということもあって小編成で速さやキレで勝負したり、あるいはじっくりと丁寧に演奏したりするのと違い、パワー全開で突き進んでいきます。しかも昔の録音だけに響きが少なく、楽器の音がストレートに飛び出してくるため、まるでグローブ抜きの拳で直接パンチしているようで、インパクトはむしろ強烈です。
 第2楽章のようなゆっくりとした楽章でもパワーの強さは変わりません。
 メロディーはたしかにじっくりと歌わせています。しかし、一音一音に力が入っているため、ものものしいというか、やたらと迫力があります。
 優雅さや軽快さからはかなり遠いのですが、ここまで徹底して力押しで来られると、爽快です。
 ただ、全楽章通して、テンポ自体は結構遅めですが、力押しの割にはそれほど重くは感じません。
 重く感じない理由の一つには、録音が古くて低音が多少カット気味という点もあるでしょう。しかし、それ以上に、音楽に推進力があるのが大きな要因だと思います。
 テンポをあまり伸び縮みさせず、一音一音をしっかりと歌いきることで、常に前に向かってぐいぐい進んでいきます。さらに、角の立った硬めの音で、音の輪郭が明確でリズムがしっかりとしています。テンポの割りに意外とスピード感があるのです。
 ニューヨーク・フィル響の前任者であるトスカニーニは、たしかこの曲の録音を残していないはずですが、もし残していたらきっとこんな感じではなかったろうかと思わせるような演奏です。
 ちなみにバルビローリ自身も、この録音以外には残していないようです。比較的マイナーな曲だからしかたないのでしょうが、なにしろ1930年代の録音です。バルビローリにはハレ管あたりと、ぜひステレオ録音を残して欲しかったものです。(2011/1/29)


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