F.シューベルト 「ロザムンデ」序曲

指揮ウィレム・メンゲルベルク
演奏アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音1938年11月30日
発売及び
CD番号
SYMPOSIUM(1078)
ANDANTE(2966)
NAXOS(8.110864)


このCDを聴いた感想です。


 メンゲルベルクの「ロザムンデ」の録音は結構多く、序曲だけでも1924年のニューヨーク・フィルとのスタジオ録音、今回取り上げる1938年のコンセルトヘボウ管とのスタジオ録音、1940年の同じくコンセルトヘボウ管とのライブ録音の三種類も残っています。
 この三種類の中で、1924年のニューヨーク・フィルとの録音は、あまりにも録音が古く、おまけに大幅にカットしていたりと、他の二つと比較してどうこう言える演奏ではありません。強いて言うなら、後の演奏よりだいぶ直線的で、音に響きが無いため一つ一つの音をかなり短く切って演奏しているように聞こえます。ただ、この演奏は他と較べるのではなく単独で聞いた方が良く聞こえるのではないかと思います。
 今回の1938年のスタジオ録音と、1940年のライブ録音は、間が2年しか離れていない近い時期だけあって、較べやすい演奏です。
 メンゲルベルクは、スタジオとライブとであまり差が出ない指揮者ですが、この曲については、割とスタジオとライブそれぞれの特徴がよく表れています。
 一言で言えば、スタジオが『端正』、ライブが『流麗』といったところでしょうか。
 ライブの方は、表情を極端に付け、曲の流れに沿って滑らかにテンポを大きく伸び縮みさせています。伸び縮みさせていても不自然ではなく、上手く流れに乗っているのですが、ただ乗るだけではなく、その流れをさらに煽るように山と谷をより落差をつける方向へと進めています。
 一方、スタジオ録音のほうは、1922年ほどではありませんが、ずっと直線的で、極端な変化はつけていません。表情の変化よりも、テンポの良さの方を重視していて、はるかにキレの良い音楽になっています。
 低音は強めに鳴っていますが、音の粒を揃えて短く切っているため動きが良く、スピード感があります。
 ライブの方が、じっくり歌いこんだ粘った雰囲気があるのに対して、こちらのスタジオ録音の方は、素直に明るさを出した印象を受けました。

 録音状態はスタジオもライブもほとんど変わりがありません。おそらく当時の録音としてはなかなか鮮明な方ではないかと思います。(2006/3/4)


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